昨年から再塗装・ディテールアップ作業を進めてきた鉄コレの相鉄新7000系が、ついに完成しました。

今回の記事では、完成報告として作品の概要を説明していきます。(画像多めです)

 

●作品のテーマ

相鉄新7000系7755編成の晩年の姿を再現しました。

 

●製作背景

相鉄新7000系のNゲージ完成品は2015年発売の事業者限定鉄コレが唯一ですが、この製品はクハ7700とモハ7300の2両セットのため、複数箱集めて編成を組むと形式代用が生じるため実車に忠実な編成を組むことができません。それに加えて車体の塗色が実車のイメージと異なるという難点もあります。

そこで一度塗装を剥離し、車体のディテールを修正した上で再塗装することで、できる限り実車に忠実なモデルを製作することにしました。

製作に当たっては、マイクロエースの相鉄8000系と並べて違和感のない仕上がりにすることを目標としました。

 

●各車両の形式写真

編成中の各車両を、1号車~10号車の順に紹介していきます。

 

1号車 クハ7755

横浜方の先頭車です。

車体の主な加工点…屋根上のアンテナ配管モールドを除去。

 

2号車 モハ7363

車体の主な加工点…妻面ステップを金属パーツ化。

 

3号車 サハ7661

車体の主な加工点…妻面の配管モールドを除去。

 

4号車 モハ7364

女性専用車です。

車体の主な加工点…妻面ステップを金属パーツ化。

 

5号車 サハ7662

セミクロスシート車です。

車体の主な加工点…横浜方妻面のドアコックモールドを除去&海老名・湘南台方妻面にクハ7700の妻面を移植。

 

6号車 サハ7663

車体の主な加工点…妻面の配管モールドを除去。

 

7号車 モハ7365

模型ではこの車両が動力車です。

車体の主な加工点…妻面ステップを金属パーツ化。

 

8号車 サハ7664

セミクロスシート車です。

車体の主な加工点…横浜方妻面のドアコックモールドを除去&海老名・湘南台方妻面にクハ7700の妻面を移植。

 

9号車 モハ7366

弱冷房車です。

車体の主な加工点…妻面ステップを金属パーツ化。

 

10号車 クハ7555

海老名・湘南台方の先頭車です。

車体の主な加工点…モハ7300の妻面を移植。

 

●こだわりポイント

製作の中でこだわったポイントを紹介します。

 

ライトはイズムワークスのキットを使用して点灯化しました。特に前照灯が明るく、遠くからでも視認性は抜群です。

 

新7000系はスカート非装着のため、先頭部の床下機器が良く目立ちます。

製品ではダミーカプラーが付いているだけなので、各種パーツを追加してディテールを作り込みました。

追加したパーツは以下の通りです。

 

・ジャンパ栓(銀河モデル&KATO)

・エアーホース(レールクラフト阿波座)

・ATS車上子(銀河モデル)

・乗務員ステップ(トレジャータウン)

 

パンタグラフはTOMIXのPS16Rを使用。

ヒューズボックスはGM、避雷器はKATOのパーツに交換しました。

 

モハの妻面ステップは元のモールドを除去し、BONA FIDE PRODUCTのエッチングパーツとφ0.2mm真鍮線に置き換えました。

2・7号車と4・9号車で位置が反転しているのを再現しました。

パンタ鍵外し線の妻面~屋根の接続箇所は購入した時点で既にモールドが変形・折損していたので、0.3mm角棒で作り直しました。

 

元の製品では存在しないサハ7600、クハ7500の妻面ディテールを再現すべく、モールド除去や切り継ぎを行いました。

 

カプラーは密自連型TNカプラーを使用。幌枠を付けていないので連結面が少し寂しい印象ですが、幌枠を付けるためには妻面の幌枠台座・渡り板のモールドを削る必要があります。それはそれでもったいないように感じたので、幌枠は取り付けないことにしました。

足回りは調色したダークグレーで塗装し、特徴的なブレーキディスクをシルバーで色差ししました。

 

7755編成は新7000系で唯一セミクロスシート車を連結しています。模型では9000系のパーツを流用して再現しました。

 

●未加工品と比較

余剰となったクハが未加工のまま残っているので比べてみました。全面的な再塗装とディテールアップで印象が大きく変わりました。車体色の違和感と、鉄コレ特有の玩具っぽさが改善されたと思います。

 

●マイクロエースの8000系と比較

今回はマイクロエースの8000系と並べることを前提に製作したため、色味が合うように調色を頑張ったつもりですが、どうでしょうか? 画像ではオレンジの明るさが違って見えますが、肉眼ではそれほど気にならないので光の当たり方の問題でしょう。

車体色に使用した塗料は以下の通りです。

 

青帯…クレオスのスージーブルーとGMの青22号を混色

オレンジ帯…クレオスのオレンジと黄橙色、GMの黄かん色を混色(デカールに塗装し、切り出して車体に貼り付けました)

車体のライトグレー…クレオスのライトグレーFS36495(青の上から塗装することで寒色系のグレーになるようにしました)

ドアの無塗装ステンレス部…ガイアのステンレスシルバー

 

●所感

昨年6月頃に製作を開始してから完成まで9ヶ月もかかってしまいましたが、時間を掛けた分、満足度の高いモデルに仕上げることができたと思います。特に苦労したのは調色で、プラ板に試し塗りをして良い色ができたと思っても実際に車体に塗ってみると印象が変わり、納得できずに塗装剥離して塗り直すということが複数回ありました。次回からは、本当に自分が実現したい色が作れているかもっと慎重に判断してから本番の塗装に臨みたいです。

 

また、今回はケアレスミスによって製作期間が延びてしまったという反省もあります。不注意により車体を机にぶつけて部品が損傷したり塗装が剥げたりし、修復作業に時間を取られることがありました。つまらないミスが原因で余計な時間を使ってしまうのはもったいないので、注意したいものです。