昨日入手したTOMIXの209系2200番台と、従来製品の209系0番台を比較してみました。従来品は川崎重工製の編成、新製品は東急車輛・新津車両製作所製の編成がプロトタイプのため同じ209系でも車体工法が違うので多くの違いがみられます(新系列電車では各メーカーの独自設計を許容することでコストダウンを図っている)。
この記事を書くために、帰省するときに209系0番台京浜東北線を持ってきました。この京浜東北線は2014年(当時高校3年生)の再生産時に購入したもので、ボディマウントTNカプラーに交換しています。3両基本セット+4両増結セット+単品のサハ×3という面倒なセット構成です。

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妻面のビードプレス加工の有無は一番目立つ違いですね。雨樋の断面も川重は四角、東急・新津は丸です。東急では屋根の端が妻面から少し飛び出しています。

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パンタグラフから降りる配管の曲がり方も違います。

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東急・新津のほうが窓の四隅が角ばっています。川重では屋根雨樋のすぐ下に段差があります。川重は初期の空気式ドアエンジン車がモデルでドアコックがありませんが、東急・新津は電気式ドアエンジン車がモデルでドアコックのモールドがあります。(川重の電気式ドアエンジン車を再現するには付属のインレタを貼る必要がある。209系3000番台やE501系では印刷表現。)

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これはメーカーではなく製造時期による差ですが、空気式ドアエンジン車と電気式ドアエンジン車ではクーラーの位置がずれています。

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屋根のビードは川重では9本のまとまり×3、東急・新津では26本が均等配置となっています。ランボードの端部形状も両者で異なっています。ラジオアンテナの色の違いはメーカーではなく模型がプロトタイプとしている時代設定の違いによるものです。

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パンタグラフ台座付近や配管が違いますね。2200番台は2012年にシングルアームに交換されました。

模型では再現できませんが内装にもメーカーごとの違いがみられます。

これらの細かい違いは非常にマニア心をくすぐるものであり、大変興味深いです。大阪環状線から103系が引退した時のニュース記事で「最近の電車はどれも銀色のばかりでつまらない」というコメントを書いている人がちらほらいましたが、銀色の電車も細かく見ていくとつまらないどころか全然飽きないです。

ここからはメーカーごとの違いではなく模型としての旧製品、新製品という観点から違いを見ていきます。

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乗務員扉は下部の取っ手のモールドが追加され、窓の寸法も見直されて一層リアルになりました。ライトがLED化されたことで遮光ケースが小型化し、0番台ではドア窓が真っ黒ですが、2200番台では向こう側を見通せるようになりました。

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ボディを外すとこうなっています。

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顔は特に変更なしですね。運転台内部の表現が何もないのは相変わらずで、ちょっと寂しいです。

次は床下機器です。
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モハ209
機器更新でVVVFインバータがIGBT素子となりました。

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モハ209反対側
高速度遮断器やフィルタリアクトルが更新されました。

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モハ208
小型化したVVVFインバータとは対照的にSIVは大型化しました。

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モハ208反対側
ICDが大型化しました。209系の蓄電池の搭載位置は空気式ドアエンジン車はモハ208、電気式ドアエンジン車はクハ208・209です。2200番台は0番台電気式ドアエンジン車からの改造車なのでクハに蓄電池がありますが、模型ではクハの床下機器は従来品の0番台空気式ドアエンジン車を流用しているようなので、再現されていません。蓄電池以外にもCPの有無など違う点があるので、こだわる人はクハの床下機器を改造するといいでしょう。(私はこだわる人です)

クハの床下機器に少し不満がありますが、川重製の従来品とは異なる車体や更新されたモハの床下機器などは忠実に再現されていて、全体的には大満足です。