ユンヒへ 〈윤희에게〉 | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

〈ヒューマン・LOVE〉

  監督:イム・デヒョン

  出演:キム・ヒエ、キム・ソヘ

 


たくさんの映画を観てきたので、同性同士の恋愛ものも多く観てきたけれど。中年のアジア人女性同士の恋愛というのは初めて観たかも知れない。

 

日本に中年男性の有名な作品はあるよね。けど(少なくとも一般的に知られている)中年女性の作品は無いもんね?

当たり前に存在しているのに、殆ど語られてこなかったと言うことでしょう。

 

映画を観ていて一番分かりやすいのは「共感」だと思うんだけど。

自分と全く違う世界であれば、それはそれでエンタメとして楽しめる。BLなんてまさにそうよね。無責任にワクワクして楽しんじゃってるし。

けど中年女性、まさに自分と同じ性別&世代だから。共感衝動がかなり激しめになってしまうんだと思う。無条件に親近感を持ってしまって。

だからヘテロの私が共感して入り込むのは難しいだろうと。勝手に身構える。

 

そのせいか二人のシーンでは無意識に「これが男女だったら・・・」なんて置き換えて。無理に共感しようとしている自分がいたのよね。まぁ自然にやっちゃってたと言うか。

けど。

女優さん達のもの静かな雰囲気がまるで絵本のようで。気付けばいつの間にか素敵なラブストーリーに涙なんて流しちゃったりして。置き換えなんて必要なかったね。

 

彼女らの時代に見合ったピュアなラブストーリーベースだけど、その時代のせいで自分を押し殺して生きなくてはいけない人々がいたと言う、決しておとぎ話では終われない現実。

今でもそれ程変わっていないのかな。アジア人女性なら尚更。欧米だって案外保守的な人間は多いし。まだまだ現実は厳しいですよね。

 

活発な娘のスマホを駆使した恋愛と、母親達の手紙というコントラストも良い感じで。

娘の無邪気さのせいで思ったより軽い空気感ですが、決してキレイ事では済まない配偶者や家族との関わり合い方もしっかりと描かれていました。