〈ヒューマン・実話〉
監督:ユン・ジョンビン
出演:ファン・ジョンミン、イ・ソンミン
実話ベースでございまして。
1990年代に起きた対北スパイの事件で。裁判が終わったのはほんの何年か前。驚き。
実話ベースとはいうものの、スパイを巡る話自体、何が本当で何がウソか分からないもんね。常に騙し合いをしている訳だから。
裏切ったり裏切られたり。映画ではその緊張感を楽しめるし。そんな中でも育まれる信頼や友情が涙を誘う訳ですが。実際はどうなんだろう。そんなの夢物語なのか。逆に、現実の方がより心を通わせたりしているのかも知れないし。
私達が真実を知る事など絶対に出来ない世界だからこそ、国を問わず楽しめる題材なのでしょう。
いちエンターテイメントとして楽しんだ私ですが。
同じ民族同士でもこんなに揉めて大変なんだから、隣国と揉めるのは止めようよと。心から思ったね。いや、お互いにさ。
みんな幸せになりたいのは同じなのに。平和に一生を過ごしたいのも同じなのに。なぜこんな風になっちゃうのかね。どこの国もさ。
それぞれの立場でそれぞれの思惑があるのは理解できます。自国の為に(良かれと思って)行動しているのだろうとは思います。
でも。
何も知らないフリで、ただ好きだと。ただ気になると。隣国の俳優さんや映画や友人たちの「違い」を無邪気に楽しんでいる私のような人間達も、絶対に必要だと信じていて。
と言うより、そんな人間がいなくなったら終わりだよ。ほんとに。
世界中のみんなが手を繋いで、全て許しましょうなんて。そんな絵空事を語る気はないけれど。
なぜ負の連鎖を呼び続けるのか。その先には何があると言うのか。
少なくても。文化やスポーツは政治に影響を受けるべきではない。それは昔から言うでしょ?
なのに。。。最近は随分影響され始めているのを、本当に悲しく感じているんですよ。
私はやっぱり隣国の俳優さんや映画や友人達が大好きだ!と。相変わらず大声で叫びたいし。触れていたい。
そしてそれを邪魔されるのは、根本的な心の自由を奪われてしまう、とても恐しい事なんだよね。