<ドキュメンタリー・家族>
監督:イギル・ボラ
出演:イ・サングク、キル・ギョンヒ
なんとも可愛らしいご夫婦で。悪酔いしちゃった。
親と絶縁している私なんでね。そうなっちゃいますけど。
一緒に観た(やはり家族関係が複雑な)お姉さまは、逆に清々しく。「いいもの観たな」って言ってましたよ。
そう言えば。
同僚と3人で話していた時、この映画を観に行くという話になったんだけど。なんと、3人とも手話を勉強していたという事実。ビックリしたわ。
知ってる単語とかセンテンスを披露し合っちゃったりして。楽しかった。
まぁ他の語学と一緒で。なかなか使う場面が無いので。上達しないまま何となくフェイドアウトしている、っていうのも同じだったけど。
ほんと難しい。私の韓国語も。どうした(涙。
話を戻しますけど。
いや。私もね。本当に良い、愛あるドキュメンタリーフィルムだと思いましたよ。
家族が撮っているから他人が撮るより自然体で。。。と言うか、何より、このご夫婦が本当に仲良しで。可愛らしいんだもの。
子供達は幼い頃から耳の聞こえない両親の通訳をやらされ。「親が障がい者なんだから」良い子でいる事を強いられる。
そして。そこから逃れるように全寮制の高校へと進むんだけど。
結局は、愛があるから大丈夫。ってのが、手に取るように分かったわ。
我が家とは雲泥の差。それが悪酔いの原因でしょうね。悲しい事です。
「人と違う」と言うのは確かに大変な事が増える。世の中は、多数派に融合する形で物事が決められ、作られているんだから。
多数派は少数派に対し、「大変だね」「かわいそうだね」と哀れむ。
だけど本当にかわいそうなのは、「かわいそう」と言われる事なんだよね。
私もとある事で散々「かわいそう」と言われ続けて育ったけれど。アメリカに渡り、自分が決して「かわいそう」では無いと気付いたもの。
所変われば価値観も変わるんだし。どの立場から見て捉えているのか、によっても変わるでしょ。
私を「かわいそうな子」に仕立てていたのは、同情と言う名の元にその言葉を突きつけてきた張本人達だったんだと、今は思うよ。
自分と「違う」人を見つけ、「同じ」(と信じている)人々と囁きあって、自分を安心させたがる人が多い世の中。他人の人生なんて、何も知らないくせにね。
そう言う意味でもドキュメンタリーって言うのは、その、他人の世界をほんのちょっとだけでも垣間見る事が出来る。ステキなツールかも知れません。
私も同年代ですが。この年代のご夫婦で、こんなに元気で仲良しの夫婦がどれだけいるんでしょう。
キラキラしているのは拍手の音だけじゃなく、彼等自身だった。って事ですわ。