<ヒューマン・病気>
監督:キム・ソンホ
出演:イ・ジュシル、イ・ジョンヒョク
こちらも。東京国際映画祭提携企画。
我が父も認知症だったので。他人事じゃないんですけども。現在、友達の父親も発症していて。私の経験も、彼女のお話しも、この映画も。。ほんと、似たようなもので。
まぁでも。一番辛いのは本人だから。いや、何が辛いって。自分が辛いのも分からなくなっちゃうんだから。それが一番辛いよな。
困っちゃうばかりで、何も出来ない周りの人間もまた、辛いしさ。脚が悪いとか腰が痛いとかなら、薬、道具、家族や周りの人間のサポートで、明るい生活も送れる可能性はあるけど。。。認知症は。。。ただただ切ないばかり。
そんな。
優しいおバアちゃんがアルツハイマー病になっちゃって。つれなかった娘や息子が慌ててお世話して。でも、家の事や経済的な問題や。現実は色々大変だよね、って話ですわ。
なんだかねぇ~。他人事じゃない分。いち娯楽作品として受け取れない。ってのもあったよね。実際。
なので正直。
家族モノが苦手な上に、現実を知り過ぎているせいか、感動も難しかったわ。
まぁでもさ。
本当にこんな病気もあるんだよって。みんなに知ってもらうのに、映画は良いツールだとは思う。実際はもっともっと、全然悲惨だけどね。
おバアちゃんたら、自慢のレシピをノートに残していて。本当に良かったと思うのよ。
父も相当な料理上手だったんだけど。何を聞いても、「適当に」「大体で」「そんなもんで」・・・とかしか言わなかったから。
独身貴族だった彼の、有名店に通って舌で覚えた味。本当に教えようがなかったみたい。
今、旦那と一緒に評判の大衆酒場巡りが趣味だけど。。。父のモツ煮を超える味に出会った事はなく。
グルメな友人が有名店に連れて行ってくれるけど。。。父のボンゴレより美味しいものを食べた事がない。
結局。二度と食べられない想い出の味は、誰にも超えられないんだろうね。
私の父はレシピを残さなかったけれど。そんな、美味しかった想い出だけでも、色んな辛かった事、酷い目に合わされた事、全て許せてしまうんだから。。。料理の力って、本当に偉大。
母親の病気と残したレシピで、自分の人生を自然と見つめ直していく様を淡々と描いている感じなのですが。
多かれ少なかれ、プラスでもマイナスでも。いくつの時でも。親の病気と言うのは確実に、子供の人生に影響を与えてしまうものだから。
親が生きているうちは、自分は出来るだけ健康で、身体も心も力を付けておいた方が良いって事だけは、間違いないよね。