造られた殺人 <특종:량첸살인기> | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

<ヒューマン・クライム>

   監督:ノ・ドク

   出演:チョ・ジョンソク、イ・ミスク

 


チョ・ジョンソクさんて。驚くほど「普通」だよね。

俳優さんの「普通」って、普通一般で言えば「普通」じゃないんだけど。彼は「普通」。ほんと。

時間離脱者』の彼も良かったけど。こっちの方がハマッてるかも。

最初から最後まで、いまいちダメな感じが。特にマッチしてます。

 

前半は好きなんだわ。

ダメな男がどんどんダメな方に向かって行くから。なんでそう~なるの?って。ちっちゃなコントみたいな雰囲気で。

しょ~もな、って。苦笑いなんだけど。

 

ただ。ラストが。好きじゃなかった。

みんなが信じた事が事実になる。言わんとしていることの意味は分かるのだが。

 

私なんてあれだよ。10代の頃から、「浮気も(相手が)気づかなけりゃ無かったのと同じ」と思っていたし。

マスコミ報道を鵜呑みにしている友人達を見て、お気楽(又は素直)な性格だなと。

完全に達観してたくらいだから。

 

報道、ウワサ話、歴史・・・。私達が見聞きするもの全ては、誰かにより作り出されたものであり。誰かが誰かに信じて欲しい事であり。誰かが勝手にそれが真実だと、信じているだけの事なんだもの。

 

それが文字だろうが映像だろうが。もっと言えば、自分が目撃した事でさえ、それは物事のたった一部で。別の時間や角度で見たら、全く別のモノが見えてきたり。

「事実」と「真実」は違うと。昔から言いますし。

 

だから。

分かるのよ。この作品のラスト。言いたい事はちゃんと分かるの。

 

だけど。そこは個人的な趣味で。

ならばむしろ、もっとスッキリと。韓国映画お得意の、やり過ぎ、で締めてくれたら良かったのになと。思う訳ですよ。

完全なる消化不良で終わっちゃって。困りました。

 

娘の件も。あれじゃぁダメよ。

主人公の性格じゃ、後々ロクなことにならん。なんて、将来の心配までしちゃった(笑。

 

ラストが気に入らない映画って。後味悪くてイヤ。

 

イ・ミスクさんは、超カッコ良かった。

お金持ちの奥様は間違いなくハマり役だけど。こんなキャリアウーマンも悪くないのね。ほんと、このお年でこの美しさ。敬服致します。