<ヒューマン・青春>
監督:チェ・ジョンヨル
出演:ジス、キム・ジュンミョン(スホ/EXO)

切ないです。ほんと。
みんな、悪い子じゃなくて。ただ、「若く」て。「運が悪かった」。
ただそれだけなのに。
キム・ジュンミョンさん。EXOのリーダー、スホさんですが。
可愛いのね。
シウォンさん(SJ)のワイルドさを洗い流し、小ぶりにした感じで。
おばあちゃん思いの好青年を、自然な感じで演じておられましたわ。
スホさん以外の主役男子のビジュアルはイマイチで。けど、それがこの作品の良いところだと思うわ。
ビジュアル重視で集めたとしたら、単なる「アイドル映画」になっちゃう恐れがあるし。大体、こんなディープな青春群像は難しかったでしょう。
真実味が薄くなっちゃうしな。
若いけれど、演技派のメンバーなので。
じっくりと見せてくれました。
あと。
SHINHWAのキム・ドンワンさんが出ていて。
出演は少しだけど。とっても良いお兄さんなのが分かって。ステキです。
弟(ジス)と似てなさ過ぎて、ちょっぴり気になっちゃったけど。
個人的に、特に私が気に入った部分は、ストーリーの焦点が明確なところ。
こういう事件を扱った作品はどうしても、深く細かく語りたくなってしまいがちでしょ。
それぞれの背景や人物像を掘り下げた結果、情報量が多過ぎて。結果、何が言いたかったのか分からなくなったり。
全てのエピソードが中途半端になってしまったり。
だけど。これは違うの。
事件の原因である女性、その夫、不倫相手。ジスが演じる主人公の家族の問題。それらは全てストーリーに深く関係しているにも関わらず、最低限の情報提供のみで済ませている。
それが逆に良いのだわ。
あくまで主役は4人の若者達。
それが最初から最後まで全くブレないからね。
不条理な大人の世界に巻き込まれていく青年達。
ラストは実に切ない訳ですが。これが現実なんだろうなと。
「運が悪い」とか、「悪い事に巻き込まれる」というのは実際、自分ではどうしようもない事で。理想や正義などでは到底解決出来ない。
だから大人達は知恵を使って。誤魔化し。得にならない現実は見ないようにして。ズル賢く生きていく術を身に着ける。
その方が楽だからね。
理想を求めて戦うより。正義を捨てた人達に追い抜かれ、損をする苦渋を味わうより。何かや誰かを信じ、裏切られる衝撃を乗り越えるより。
ブログを書いていて、改めて切なくなっちゃった。