極楽島殺人事件 <극락도 살인사건> | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

<スリラー・クライム>

 監督:キム・ハンミン

 出演:パク・ヘイル、パク・ソルミ

 

 

もの凄く面白そうで。勝手にハードルを上げて観てしまったので。ちょっと残念だったなと。

いえ。いつものように、自分が悪いんですが。

 

『CUBE』とか。閉ざされた空間で追い込まれていくというのは本当に怖くて。面白いから。この、「島」というのも同じで。

ビー・デビル 』とか。

 

「田舎」というのも、閉ざされている、という意味で同じ怖さがあるわ。

野良犬たち 』や『黒く濁る村 』とか。あんな感じ。

 

現実社会でもそうよ。

昔アメリカでドキュメンタリーを見たのだけれど。とある田舎町。そこを通った旅行者が消えるの。

みんな知っているんだけど、「おきて」により口を開けない。

ほんと、映画みたいだったわ。

 

最近もありますね。

原住民が消えているという、カナダのお話。

 

事件も事故も無かった事にして。闇に葬り去る。

その異常さに誰もが気付いているのに、声高に訴える事が出来ない。だって、そうしたら、自分が排除されるだけの話だもんね。

所詮、町を出るしか方法はなく。

 

結果。

邪魔者と判断され殺されるか。人知れず町を出るか。

どの道、数多くの人間が消えるって事なのだと思う。

 

どこにでもある、小さなコミュニティーを守る為の行き過ぎた「事なかれ主義」と、「他者の排除」。

 

学校や地域社会でもある事。みんな誤魔化しながら生きているだけ。

島や町単位なら。それは非常に恐ろしく。深刻になり得る。

 

日本でもあったなぁ。

「村八分」状態にされた男性が、村人を殺しまくった事件。昔もあったと聞くし。数年前にも起こった。

決して、遠い世界のお話ではないということ。

 

映画のように、ニュースのように、実際に人殺しにまでは発展しないとしても。閉鎖社会での「事なかれ主義」と「他者の排除」は、時に人の心を殺してしまうんだよ。

 

そして。

自分がその加害者であったり、被害者である事にさえ、気付かないでいる。

安い恐怖映画より、よっぽど怖い話だと。私は思うけどね。