提報者 ~ES細胞捏造事件 <제보자> | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

<ヒューマン・実話> 

 監督:イム・スルレ

 出演:パク・ヘイル、イ・ギョンヨン

 

 

私も覚えている事件ですが。

実際、張本人だけを責めて終わる訳にもいかない。そういうタイプの出来事ですよね。

 

日本でもあったよね。記憶に新しい。「○○はありますっ!」って。あれ。どうなのかね。自分でも途中から良く分からなくなっちゃうのかな。追い込まれてしまって。

この作品の中にもありますけど。「気付いた時には取り返しが付かなくなっていた」って。

人間なんて弱いモノだから。

 

でも、事件そのものより、マスコミ&視聴者というのがいかに恐ろしい存在かを改めて感じたわ。

日本だって同じ。

誰かを褒め称え、持ち上げ始めるとどこまでも。。。逆に、叩いて下げ始めても、どこまでも。

みんな報道や周りの意見に見事に左右され、流されていくのだから。

 

日常生活だって似たようなものだよね。

人の噂を闇雲に信じる人の多いこと。本当に。色々経験しておりますが。

立ち止まって冷静に考えれば簡単におかしいと気付くような事であっても。気付かない。目先の話題や噂に飛びついてしまう。

 

この事件の場合、教授自身の名誉うんぬんだけではなく、国民の愛国心という、美しくも時に少しやっかいな感情が大きく作用しているから。余計にややこしいのよ。

 

国の英雄を守る為、真実を追求しようとしている人間を弾圧、排除しようとしちゃうんだから。真実なんてどうでも良いかのごとく。

それは、みんなが「見ようとしない」恐ろしさ。

自分の心地良い方向へと行きたがる、性の様なものなのかも。

 

イジメだってそうじゃん。

そこには必ず傍観者という人種がいて。彼らは絶対に、イジメっ子やイジメられている相手の本当の姿を「見ようとしない」。視線で捉えてはいても、脳や心が見ていない。

だから見て見ぬフリが出来るんでしょ。

 

この教授の周りの人間達だって、何度も何度も疑問や不信が頭をよぎったはず。。。それでもやっぱり、自分の心地良い、安全な方へと流れて行く。

結果、どんどん悪い方向へと進んで行ってしまう。

 

庶民の日常でも、国家レベルでも、自分が傍観者でしかない立場だとしても。いや、だからこそ、自分の取る行動には責任を持たなくちゃいけないよね。

そして。

自分の言動には実はどんな意味があり、どんな方向へ向かう手助けをしてしまうのかを、それぞれがしっかりと意識することが大切なのだろうと。

 

今回は俳優さんがどうのとか内容がどうのではなく、そんな事をずっと考えていましたわ。