<戦争・ヒューマン>
監督:チャン・フン
出演:シン・ハギュン、コ・ス
戦争映画は苦手。
だって。
その作品がどうのと言う以前に、人間の愚かさばかりが心に突き刺さるから。同じ人間同士で殺し合う。最低最悪の愚行。
なのに。
戦争や内戦は、必ず世界のどこかで起きているという悲劇。
普段はみんな、家族や友人を大切にして。動物にも優しくして。なるべく穏やかに日常生活を送りたいと思っているのは、どこの国でも同じなのにね。
今だって、女性が一人殺されたってニュースをずっとテレビが伝えてるよ。子供が一人いなくなったら、みんなが帰りを願って。必死に探しまくるでしょ?
なのに。
戦争が始まると何かが狂っていく。みんなが狂っていく。
一人ひとりに家族があって。人生があって。そんな当たり前のことが忘れ去られ、国の為という大義名分のもと、ひとつの命の重さが信じ難い程に軽くなってしまう。
だからね。
普段は恐ろしい映画でも何でも、それは映画として、エンターテイメントとして楽しく鑑賞出来る私なんだけど。。。戦争映画だけはどうも避けてしまうんだよね。
おかしな個人が起こす事件とは意味が違うから。。。こんな悲劇を繰り返し続ける人間が、本当に嫌になっちゃうんだもん。
この映画もずっと避けてたけど。最近、北と南の緊張状態が増したりね。色々あって。観た訳ですが。
同じ人間どころか、同じ民族同士なのに。実戦は避けているものの、過去も今も、何も変わってないんだなと思うと。これまた切なくなりますわ。
今度どこかで大規模な戦争が起きたら、今までの映画のような話じゃ済まないでしょ。兵器の規模も性能も格段に進歩している訳で。
各国の関係上、小国が大国に挑むとか、民族同士の小競り合いとか、そんなレベルでは終わらなくなる世界になってしまっているのだし。
あ~、ほらねぇ~。
戦争映画を観ると、なんかこんな感じになっちゃうんだよ。だから嫌なんだよ。
ほんとさは。
コ・スさんはやっぱりハンサム過ぎて、なんかこういう映画では浮いちゃって合わない~!とか言いたい訳。
イ・ジェフンさん、坊主似合うじゃぁ~ん!とかもさ。
まぁでもね。
どこの国でも戦争映画をコンスタントに作っているのは、共感を得やすい=興行収入につながる、とか、愛国心を維持させる、とか、そういうのがあるかとは思うけど。
人間が愚行を繰り返しているという事実を忘れないように、歴史の片鱗を色んな形で伝えていくというのは、やっぱり必要なんだろうなと。
自国が描くと、そりゃぁどうしても偏見や美化が多くなるのは仕方ない。でも、戦争ものを観たらどうしても、「面白かった」とか「感動した」だけでは終われないでしょ。
そこには「悲しみ」や「怒り」というネガティブな感情も存在するはずで。
そういう意味では個人的な好き嫌いを超えて、大切な題材なんだなと。改めて思いますけどね。