振付の魔術師パスカーレ・カメレンゴさん! | sota-sooko 草庫

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山本草太選手の新シーズンのプログラムは、SP、FSとも

 

パスカーレ・カメレンゴさん振付!!

 

カメレンゴさんについて、大特集します(^^)

 

 

▼経歴▼

1996年生れ(53歳)。イタリアの元アイスダンス選手

アルベール五輪5位。長野五輪にも出場

デトロイトを拠点に、コーチとしてケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェらを指導

振付師としても活躍。日本選手の振付多数

妻はロシア出身で、長野オリンピック銀メダリスト

Wikipedia(日本語・略歴) Wikipedia(英語・詳しい)

 

 

▼作品▼  新しいものから順に、8作品紹介♪

 

①ケイトリン・ウィーバー/アンドリュー・ポジェ 『S.O.S. d'un terrien en détresse(嘆きの地球人のSOS)』  2019カナダ選手権1位

https://youtu.be/lilpzxmHCAE …この浮遊感!ロックオペラよりって、選曲が慧眼! 目

 

 

②ミハル・ブレジナ 『鼓童』 2017スケカナ6位

https://youtu.be/CqhV-Qavvtg …2010-2012の2シーズン使用曲を復活!所作が美しい~

ミハルはカメさんプロの数No.1!比べてびっくり↓

https://youtu.be/F_-CNyZ6FHg …元祖鼓童。2012世選6位(SP2位)。5年でこんなに進化!

 

 

③パトリック・チャン 『ブラックバード』 2016GPファイナル5位(SP2位)

https://youtu.be/ZT-q0rQeG4M …大好きなプロ!(^^) 愛すべき小品。ツルツル~

 

 

④鈴木明子 『オペラ座の怪人』 2013全日本1位

https://youtu.be/ZTz2djlZTdc …現役最後のシーズンに初の日本一。何度見ても涙…

 

 

⑤鈴木明子 『O(オー)~シルクドソレイユより』 2012NHK杯2位(FS1位)

https://youtu.be/HTnkJ8w38dY …アート性が際立つ。鳥の動きを観察したそう。衣装も神!

 

 

⑥ナタリー・ペシャラ/ファビアン・ブルザ 『ミイラとファラオ』  2012世界選手権3位

https://youtu.be/oMRwIXzxILE …私がアイスダンスを好きになったきっかけの作品。奥様との共同制作。衣装も奇抜だけど、振付もアーティスティック!自由な発想!カメさん映ってます!

 

 

⑦高橋大輔 『ブルース・フォー・クルック』 2012世界選手権2位

https://youtu.be/FHjf25eDWJA …最初地味!と思ったら、『道』より好きになったスルメプロ

 

 

⑧高橋大輔 『道』 2010世界選手権1位 

https://youtu.be/THUKSiFu92M …カメレンゴさんブレイクきっかけの伝説プロ

 

 

○他にも個性的なプロがたくさん!

 

アンナ・ポゴリラヤ 『エスペランサ』 2017-2018 (スケートカナダSP2位)

ケイトリン・オズモンド 『オブビリオンほか』 2015-2016 (カナダ選手権3位)

村上佳菜子 『パパ・キャン・ユー・ヒア・ミー』 2013-2014 (四大陸1位、全日本2位)

村上佳菜子 『とろ火で(タンゴ)』 2012-2013 (四大陸3位、全日本2位)

ミハル・ブレジナ 『山の魔王の宮殿にて』 2012-2014 (欧州選手権3位)

ミハル・ブレジナ 『アンタッチャブル』 2011-2013 (欧州3位、スケートアメリカ1位)

トマシュ・ベルネル 『雨に唄えば』 2010-2011 (欧州3位、ロステレコム杯1位)

トマシュ・ベルネル 『マイケル・ジャクソン・メドレー』 2010-2011 (欧州3位、ロステレコム1位)

アダム・リッポン 『G線上のアリア』 2011-2012 (全米2位、四大陸4位)

鈴木明子 『こうもり序曲』 2011-2012 (ファイナル2位、世界選手権3位)

鈴木明子 『屋根の上のバイオリン弾き』 2010-2011 (ファイナル4位、ロステレコム2位)

ジェレミー・アボット 『サンサーンス交響曲第3番』 2009-2010 (全米1位、スケートカナダ1位)

 

 

 

次は、いろいろなインタビューから、カメレンゴさんを探ってみます!(^^)

 

 

▼インタビュー集▼

 

①探した中ではもっとも新しいインタビュー

氷上を彩る振付師たち ~パスカーレ・カメレンゴ~

 

――90年代から振付をされてきましたが、今の振付師の役割というのは?

現在の振付師には、以前にもまして毎年ISUが変更するルールに対応する能力が求められてます。振付師として、毎シーズン学ぶことは尽きません。また来シーズンはどういうトレンドになるのかを読み、準備をする必要もあります。男子は4回転を3度も4度もやる時代です。シングルの振付は、ジャンプのタイミングが鍵になります。

 

――振付をするうえで、あなたにとっての最優先は何ですか?

技術的なバランスを考えた上で、選手本人がどんなことをしたいのかですね。

私にとって、ストーリーボードで順を追いながらどんなことを伝えたいのかをはっきり描く、というのは最優先です。

 

――インスピレーションはどんなところから得るのでしょう。

スケーターたちの才能と個性が、インスピレーションを与えてくれます。あるいはたまに音楽を聴いて、突然何かがひらめくこともあります。音楽は常に私のほうで準備しておくわけではなく、選手から持ち込まれた曲で良いアイデアが湧くこともあります。

 

――これまで日本の選手の作品も多く手がけてきました。

中でもダイスケは私が会った今まででもっとも才能のある選手の一人でした。音楽に対する感性が素晴らしく、何でも美しく演じることができた。彼がバンクーバー五輪で銅メダルをとり、その後の世界選手権で私のプログラム「道」を滑って優勝した思い出は、私の宝物です。

 

――鈴木明子選手の印象は?

彼女は本当に美しいスケーター、高い能力を持っているのに、いつも自分にできるかどうか不安を感じていた。でも実際にやってみると、素晴らしいものができ上がったのです。その謙虚なところが、彼女の人間性に魅力を加えていたと思います。私の大切なスケーターの一人です。

 

――今のルールにおいて、良い振付とはどのようなものでしょう?

スケーターの良さを引き出しながら、本人に合ったステップやターンなどを作り上げていくこと。シングルなら例えば4回転を跳ぶ前のトランジションを入れていくのはとても難しいことですが、同時に本人の自信と良さを引き出すバランスのとれたものが良い作品だと思います。

 

『Ice jewels(アイスジュエルズ) vol.02』 (2016年2月)より抜粋

 

 

 

②デトロイトの様子もわかる!最古参のインタビュー

氷上に帰ってきた勇者 高橋大輔 in デトロイト

 

 デトロイト・スケーティング・クラブは、ミシガン州デトロイト郊外のブルームフィールドヒルズにある。この伝統あるクラブの母体は1910年にデトロイト市内で創立されて、現在の場所に移ったのが1978年のことだという。

 

 7月このリンクを訪れたのは、高橋大輔がパスカーレ・カメレンゴとのプログラムの仕上げを見せてもらうためだった。デトロイト・スケーティング・クラブはオリンピックサイズのリンクが3面あるが、そのすぐ近くに別に4面リンクの施設があるなど、日本では考えられない恵まれた環境だ。

 

 この日はおもに、パスカーレが振付した「道」のフリーを滑っていた。「照れ屋なのでコメディが苦手」と語っていた高橋が、初挑戦する道化役である。これまでラフマニノフの「ピアノ協奏曲」や、「オペラ座の怪人」など、ドラマティックで重い曲を滑ってきた高橋にとって、新たな境地を切り開いていくことになる。

 

 このデトロイト・スケーティング・クラブでは1995年世界チャンピオンのトッド・エルドリッジを筆頭に、数多くのチャンピオンが誕生していった。タラ・リピンスキ―が長野五輪を獲得したときも、このリンクで師事していた。

 

 現在ではパスカーレ・カメレンゴとアンジェリカ・クリロワ(妻で2児の母)のほか、佐藤有香とダンジェン夫妻、スティーブン・ハーウェルなどがコーチスタッフとして名を連ね、アリッサ・シーズニー、ジェレミー・アボットなどがトレーニングをしている。(※2009年当時)

 

 

――有川&宮本など、これまでも日本の選手の振付をなさってきましたね。

ええ、そうです。7年間フランスのリンクで仕事をしていたので、特にケンジ(宮本賢二)とは親しくて、今回のダイスケのことは彼の推薦もあったのだろうと思います。

 

――昨年、彼(高橋)が怪我をしたのはあなたにとってもショックだったと思います。

ええ、ぼくはあのとき現場にいたんですよ。おそらく1度の転倒が原因ではなく、長い間の無理が積もって起きた負傷だったのではないかと思います。

 

――あなたのようにアイスダンス出身のコリオグラファーが多いですが、

(略)いまの採点方式だと、振付でハイライトを作ることは難しい。ステップシークエンスあたりがハイライトになってきます。けっきょく振付とは、スケーター本人の滑りそのものになってくるんです。同じクロスオーバーをやっても、馬のように見える選手もいれば(笑)、ダンサーに見える選手もいます。

 

『ワールド・フィギュアスケート No.39』 (2009年10月)より抜粋

 

 

 

③音楽とパワーについて言及 (拙訳)

プログラム作りの第一人者、パスカーレ・カメレンゴ

 

「振付とは、その人のスケートの見方を示す個人的な贈り物のようなものです」と彼は言った。

 

プログラムをまとめる上で、最も重要であり、かつ難しいのは音楽だとカメレンゴ氏は言った。

そしてこうも言った。音楽を選んだ段階で、「作業は半分終わってる」

 

「音楽と同時にビジョンが持てます。最初にするべきことは、スケーターが何を感じ、何をしたいのか、真実を知ることです。」

 

力もまた振付において、最も重要な役割を果たしている。トランジッションの加速こそが、リンクを大きく使うことになる。それが重要なのだからと。

 

「トランジッションはできるだけ複雑にする方がいい。スケーターは、自分のターン、ステップ、エッジを全てパワーとスピードに変える必要がある。そうすればプログラムはグローバルな感覚を持つようになります。」

 

『Ice Skating International:Online』 (2012年6月)より抜粋

 

 

 

④英文だけど、考え方がよくわかる (拙訳)

パスカーレ・カメレンゴ:"I don't like normal programs"

 

私は多くのアイスダンサーと仕事をしてきました。しかし、シングルスケーターとの最初の大きな仕事は、高橋大輔でした。たくさんの人が私のところに(依頼に)やってきました。ジェレミー・アボット、アリッサ・シーズニー、ミハル・ブレジナ、トマシュ・ベルネル…。大輔のために私がした振付を見て、それが全ての始まりでした。

 

私は個人的にはプログラムの中にお芝居があるのが好きです。人々が泣いたり笑ったりするような。(大輔の『道』のように?) その通り。

 

――振付をしてみたい理想のスケーターには、どんな資質が必要でしょう?

「理想のスケーター」ですか、第一に優れたスケーティングスキルを持つべきでしょうね。

氷上で高度なレベルに達した人は皆、自然で見栄えがよい、エッジが深くてスピードがあって

足元を気にせずにスケートができること、それが大事です。そうなって初めて、上半身、表情、体のライン、動きの美しさ、物語の解釈などに、気を使うことができます。

 

それから、芸術に対する愛情や、観察眼、理解力も必要ですね。動きを見て、「なんて美しい」と言うだけでなく、「何が美しく見せているんだろう。たぶんこんなことじゃないかな」と深く掘り下げてほしい。私は私のもつ知識を総動員して振付をしますが、スケーターにこの観察するセンスがなければ、思い描いたようにはならないのです。

 

大輔はこれら全てを持ち合わせています。ステファン・ランビエールも…。私は彼が大好きです。彼は本物の芸術家、彼は自分自身を創作している。それと、パトリック・チャンのスケーティングスキル…彼はすごい!難しいターンからスピードを上げることができる。わお!どうやってるんだ!?

 

――いっしょに仕事をしたいと思うスケーターはいますか?

もちろん!(カロリーナ・コストナー、浅田真央、羽生結弦の名を挙げて説明)でも、指名はしたくない。そんなことは決してしません。それが私のスタイルだから。

 

――自分の作ったものを氷上で見るとき、どのように感じますか?

ああ…たとえ演技が成功しても、私はハッピーにならないって分かっています。スケーターはエレメンツに集中するために、要素をカットする傾向があるのです。本当は何か表現しなければならないときに休もうとするかもしれません。が、これはよくない。最終的にはプログラムは無難に見えるかもしれないけど、私は無難なプログラムは好きじゃないのです。

 

でもそれはプロセスであって、シーズン序盤には決して容易なことじゃありません。スケーターはエレメンツをこなすことに集中する必要があります。しかし、シーズンが進み、何度もプログラムをこなし、無意識で滑れるようになったとき、そのときが振付の出番なのです。

 

『Absolute Skating Interview』 (2011年11月)より抜粋

 

 

カメレンゴさんのこと、ちょっとわかってきましたね(^^)

 

草太くんの良さが、カメレンゴさんに伝わりますように!(*^.^*)

画像は上からカメレンゴさんインスタ(感謝)、ISU公式、キャプチャ