明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
本当に一年があっという間に過ぎた。年末の二十八・九日と例年通り円覚寺の塔頭・龍隠庵で餅つきの手伝いに出かける。今年で四度目であり、集まる人たちは、慣れた手順で行う。餅つきは、蒸し手、つき手と返し手に分かれ、特に体がきついのは、返し手であり、私は毎年それを行っている。今年は、二十八日の人の集まりが少なく、この日は二十七セイロを突き上げ、写真の取る暇もなかった。住居に戻ると身体は筋肉痛で動かすことが出来なかった。次の日は、多くの人が集まり、二臼で五十セイロをつき上げた。日ごろの運動不足と年のせいか年々きつくなっている。
大晦日の日は、夕方の四時半からから飲みだす。鰤、鯛、イカ、鮪の短冊を切り刺身にして、出汁巻き卵を作り、鳥鍋をつついて酒を飲む。私は従来テレビは、ニュース番組しか見ないため、特にこの正月の期間は、ビデオに専念する。そして何時ものように十一時には寝床に入り本を読みながら除夜の鐘を聞く。この三年間は遠くから除夜の鐘が聞こえたが、今年は中止になったのか、風向きのせいか聞こえる事無く眠った。
元旦の朝は何時もより早めに起きて、例年の如く午前七時半に鶴岡八幡宮に参詣に出る。三が日の間、私がいつも市中に出るのに使う鎌倉街道の小袋谷のバス亭から鎌倉市中方面の車の乗り入れが出来なくなる。そのため道はすいていているが八幡宮裏のバス停より北側で降ろされ、鶴岡八幡宮の三の鳥居に向かう。混雑のため正面からしか入れない。そして何時ものように参道の社務所前から大勢の参詣者が列をなす。鶴岡八幡宮特有の本殿に上がる階段が危険なため階段でロープを張り人数規制を行う。警察官が、「本年は入場者数が多いので、規制を行っています。安全対策にご協力お願いします」と呼び掛けている。本殿に上がるのに約三十五分かかった。ほぼ例年と同じ時間。昨年のNHKの大河ドラマ「鎌倉殿と13人」の影響で増加を見越しているのか。ただ、コロナ渦中でも、この様な状況であり、今年が増加したようには思われなかった。
本殿横でおみくじを買うと今年は末吉だった。おみくじの本来の見方は吉凶にあらず、和歌により運勢を見つけ出すものであり、自身の方向性と戒めを与えてくれる。その和歌と文面を見ると確かに思う事があり、驚かされるのもこの時である。私は、新しいおみくじを財布に入れて一年の戒めとして、昨年度のおみくじを財布から取り出し樹々に結び付けている。時に振り返って見ることも良い物である。その後、歩行者天国になっている若宮大路を下り、大功寺、初えびすが行われる本覚寺に行くが、まだ人の参詣はコロナ前には戻っておらず、寂しさを感じるが十日えびすではどうだろうか。
その後、再び八幡宮の北側に戻り、バスに乗り小袋谷で降りた。すると遠くから笛太鼓の音が聞こえてくる。よく見ると二組の獅子舞が各家を回られていた。話を聞くと小袋谷の町内で、保存活動を行われており、正月に舞が行われるとの事である。各家々を回り承諾していただいた家の前で舞い、祝儀を頂く。私も幼い頃、大阪で家の前で舞ってもらった事があるが、いつの間にか見なくなってしまった。この鎌倉では、この様に獅子舞が残っている場所もある。しかし、舞いを受け入れてくれる家々も年々少なくなっているとの事であった。何時までも残してもらいたいものである。
住居に戻ったのが十時半であった。お雑煮を作り出し、大阪の妻から送られてきた、冷凍パックのおせち料理を出し、テレビでニュースを見ながら、お刺身とおせちをつつきながら酒を飲む。NHKのニュースで、NHKの大河ドラマを強調するように、鎌倉の鶴岡八幡宮は午前七時に多くの人が参詣に訪れていると放送していた。酒を飲みながら何時もと同様ですよと独り言を言う。これを聞き。見ると鶴岡八幡宮が如何にも例年以上に大変多くの人が集まっているという情報操作ともみられ、SNSや今後デジタル化が進むことで情報操作に揺れ動くことなく、自身の考えを以って行動していかなければ感じた新年であった。