鎌倉散策 夏越しの祓(茅の輪くぐり) | 鎌倉歳時記

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定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

 何時も鎌倉市中に飲みに行くのが木曜日にしていたが、木曜日になると夜に雨が降るかもしれないとの事で翌日の金曜日にした。午後三時半、小袋谷からバスに乗り鎌倉街道を通り八幡宮裏で降りる。晴れるとこの時間帯が一番暑い。小袋坂トンネルを過ぎると通常の交通渋滞が始まっていた。非常事態宣言が出ている時は信じられないぐらい、すいていた道路が、ほぼ通常に戻りつつある。しかし、感染対策をしたうえで飲みに行くことが出来るようになったのは、本当にうれしい事だ。大阪から鎌倉に一人で生活すると外に出ないと一日、誰とも話す事が無い日もある。外に出た時は極力人と話すようにしなければ日本語を忘れてしまうような気さえする。また、独り言を言いだすようになると危険信号だ。

 

 さておき、午後の三時半、蒸し暑い中、鶴岡八幡宮を裏から入る。本殿で参拝するが、いつもの様相と少し違い、本殿に飾り付けがなされていた。階段を下りて行くと夏越しの祓(なごしのはらえ)の茅の輪が設置されていた。本来、鶴岡八幡宮の夏越しの祓は六月三十日だが、人混みを避けて分散させるために早めに設置されたとの事である。

 

 年に二回、六月の夏越しの祓と十二月の大祓(年越しの祓)とがあり茅草で作られた茅の輪を立てくぐり罪や穢れを落とす。回り方にも作法があり、茅の輪をくぐり左回り、もとに戻り右回で茅の輪をくぐり元に戻り再度くぐり真っすぐ拝殿に進む。紙で作られた人形を身体に付け、息を吹きかけて拝殿に置かれた箱に人形を治めるのが一般的な作法である。京都では茅の輪をくぐる際に和歌を詠むため二首の和歌を覚えておく、そして最後に蘇民将来を唱えて茅の輪をくぐる。夏越しの祓い、年越しの祓いは穢れと罪を祓うが、その中には暑い夏、寒い冬を無病で過ごすことが出来るようにとお願いも含まれている。この時期、自身の感染症対策を行う上で、茅の輪くぐりをして、心のゆとりと風情を楽しむのもいいと思う。

 

 また、本殿や拝殿(舞殿)の飾りつけは七月七日の七夕祭りの準備であり、当日、十七時から行われる。こういった行事が、すべて中止であった頃に比べ、どのようにすれば開催できるのか前向きに考え出すことが出来るようになった事が嬉しい。その夜の行きつけのお店では楽しむことが出来た。