島根県の足立美術館に行ってきました。2度目です。今回は1日かけてじっくりと観るつもりで行きました。足立さんは庭園も絵画と考えていたようです。館内の窓を額とみたてた配置も本当に絵になっていました。本当にきれいな庭園でした。
サン・ピエトロ大聖堂に入ると祭壇に大きな絵と思われるものがありました。ラファエロによる絵画「キリストの変容」を基にしたモザイク画と言うことです。上部にキリストの顔が太陽のように輝き衣は光のように白く変化した場面が描かれています。これは,キリストの神性を弟子たちに示した瞬間とのことです。モーセ(律法の代表,モーゼ)とエリヤ(預言者の代表)を伴っています。下部では、悪霊に取り憑かれた少年が癒やされる様子が描かれているとのことです。
クリスチャンではないのですが,ローマ訪問によって,いろいろ勉強になりました。
聖ペテロはキリストの筆頭格使徒で初代ローマ教皇だとされているそうです。牢獄にとらわれているとき,突然に天使が現れて解放されたそうです。この絵はその出来事を描いたものです。ただ,この絵は未完成品で天使の左手は薄い筆で2重に描かれたままらしいです。右側に看守が2人描かれているそうです(右から2番目は箱に見えますが)。看守は天使が突然現れたので驚いて何もできないでいるところとのことです。AIによると,手錠はすでに外されていてペテロの足元の辺に描かれているとのことですが,私には認識できません。
処刑されたキリストを2人の天使がキリストの体を支えたり,悲しんでいる様子です。キリストの下の棺,腿の下方にある丸いものは,当初AIが茨の冠と答えましたが,その後,麦の穂や籠と答えています。棺の左の面には香油壺が描かれています。「天使達に支えられた栄光のマグダラのマリア」に出てくるマリアがキリストの足に香油を塗り,自身の涙と長い髪でキリストの足を拭ったということを前の記事で書きましたが,その香油壺でしょう。背後はゴルゴタの丘です。一番大きな十字架でキリストは処刑されたらしいです。右に描かれている樹木は根の死の世界,幹の地上,枝葉の天の世界の3つを結びつける象徴として描かれているそうです。ゴルゴタの丘の手前の方にぼんやり描かれているのは,ロバに乗ったヨセフらしいとのことです。キリストの埋葬準備をしているところとか。
前の記事「聖セバスティアヌス」で,キリスト教信仰をとがめられ弓矢による刑を受けた聖セバスティアヌスの絵です。この刑では,急所を免れたため死に至らなかったとのことで,この絵では女性たちに介抱される様子が描かれています。結局は斬首により殺されたとのこと,宗教では実際にあったことを美化して描くのでしょう。
マリアという名前の女性ですが,キリストの生みの母の聖母マリアとは別人とのことです。キリストの弟子です。「コルターナの聖マルゲリータの法悦」という題名でも呼ばれるらしいです。AIはしばしば誤った答えを出します。ここで法悦というのは,死んだのではなく,信仰が絶頂に達した様子ですが,“被昇天”という解説もあります。これは死ぬことですが,肉体の苦しみも遺骸もなしに天国に導かれることだそうです。
右側のプットが壺を持っています。これは香油壺で,マグダラのマリアを表すものだそうです。マリアは罪深い女でしたが,キリストの足に香油を塗り,自身の涙と長い髪でキリストの足を拭ったことで罪を悔い改めたという逸話が福音書に書かれているそうです。このことから,香油壺がマグダラのマリアを表すシンボルとなっているとのことです。左の天使たちがゴムボールのようなものに埋まっていると思ったら,それは雲でした。天上を表しているらしいです。地上にいる絵かと思ったら,天上に向かう所らしいです。解説を読まないと理解できません。
熱心なキリスト教信者だったカテリーナはローマ皇帝マクセンティウスの求婚を拒否したため,釘のついた車輪で拷問を受けさせられようとしました。彼女の祈りにより天使たちが車輪を雷で破壊します。車輪の部品が飛び散り,処刑執行人たちは跳ね飛ばされています。結局彼女は斬首により処刑されたとのことです。
この絵は17世紀初頭に4世紀初頭の出来事を描いたものとされています。ヨーロッパでは一貫してキリスト教が信じられていたのかと思われましたが,4世紀初めにはディオクレティアヌス帝の「大迫害」として知られるローマ帝国史上最大かつ最も組織的な迫害が起こった頃だそうです。
17世紀頃パラゴーネという絵画と彫刻でどちらが優位かの論争があったそうです。子供っぽい争いだと思いますが…。この絵には左から絵画,音楽,詩,彫刻の寓意として人々が描かれています。この絵を見たとき,一番右の女性は彫刻の寓意であるとは気づかず,石膏像を踏んでいるので,彫刻が劣っていることが描かれているのだと思いました。しかし,この女性は鑿を持っていて,左手には彫像を持っています。つまり,この女性は彫刻の寓意だったのです。この作品はすべての芸術が等しくすぐれていることを表しているというのが正しいようです。
音楽の寓意の足元には,リュート,楽譜,ギターが,詩の寓意の足元には詩集が,彫刻の寓意の足元には石膏像があります。これらはそれぞれの寓意が何かを示すためです。石膏像を踏んでいるのは,彫刻を卑しんでいるのではなく彫像を支配できているということらしいです(私には理解しにくいですが)。背景の雲は画像の立体感を出すのに加え,芸術の崇高さを示しているとのことです。足元手前にあるのは,布飾りや幕で,手前を暗くすることにより,寓意を目立たせる効果を狙ったものだそうです。
16世紀後半にイアコポ・ティントレットイにより描かれた絵画です。ギリシャ神話の美少年,ナルキッソスが泉に写った自分の姿に恋焦がれそのまま命を落とし,水仙の花になったという物語を描いているそうです。ナルキッソスがナルシストの語源だそうです。遠景には廃墟となった建物が描かれています。これは時の無常を示しているようです。ナルキッソスが仕事や飲み食いも忘れて自分の姿に見とれている間に時は経ち死んでしまったのでしょう。また遠景に2人が描かれています。一人はナルキッソスに惚れたニンフ(自然の擬人化)こだまであり,もう一人はナルキッソスを罰した女神ネメシスらしいです。
「昼」と「夜」の対になった16世紀の作品だそうです。「昼」もこの美術館に収蔵されているそうですが,記憶にも写真にもありません。女性が光の冠を付けて野外に座っている絵らしいです。AIでは,その画像は著作権の問題で表示できないとのことでしたので,鉛筆画で描かせました。
この「夜」の絵画では女性が横たわっています。夜の睡眠の姿らしいです。目を閉じた仮面が描かれているのは,眠りを表しているとのこと。プットが松明(たいまつ)を持っているのも夜を表しているとのこと。これらは「音楽のBGMに相当するのではないか」とこれまでの作品の所でも書きました。研究者によるとこの女性は初期の乳がんを患わっているらしいとのこと。手術で摘出したようにも見えますが,少なくとも16世紀ではそのような医術はなかったと思います。モデルがたまたま患わっていて,画家は忠実に描いたのかも知れません。









