無一文の絵描きが宿屋に泊まった。宿賃を請求するとふすまに雀の絵を描いて宿賃のかたとする。雀はふすまから抜け出し,それを見たさに客が集まる。ある時,別の絵描きがやって来て,「これでは雀が死ぬ」と言って鳥籠を描き足す。殿様は以前の2倍で買いたいと申し出るが,絵描きに「売ってはならぬ」と言われていたので,絵描きがまた来るのを待つ。やがてやってきた絵描きは,描き足したのは自分の父だと悟る。自分でも抜かりがあったと反省し,「親を駕籠かき(鳥籠描き)にした」と言うのがオチ。この噺では,駕籠かきが卑しい職業だというのが前提となっています。このことは大抵まくらで説明をしています。

 落語では,宿屋を夫婦でやっていて,お人よしの夫が無一文の人を引っ張ってしまい,しっかり者のかみさんが金を請求するように急き立てます。アニメでは,父と娘とで宿をやっていました。落語では,絵描きがこの夫に墨をすらせるところとか,客が押し寄せて,厠にも何人も泊まっているなど,聴きどころがたくさんあるのですが,アニメは時間の関係上さらっと話を進めてしまいました。落語のオチは子供向けには難しいためか,アニメの方では,絵描きが「親は“とまり”,家は籠」と言って去ります。