若旦那が清水様のお参りに行った時の茶屋で美しい女性に会う。別れ際に女性から「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の」という崇徳院の歌を渡される。それから若旦那は恋煩いとなるが,女性がどこの人なのかわからない。大旦那から熊五郎に訳を聞き出すよう頼まれる。そこで,熊五郎はその女性を探すこととなる。崇徳院の歌を唱えながら町中を歩き回り,人が集まる床屋ではひりひりするほどひげを当たってもらう。ついには,女性側から若旦那を探している人に巡り合う。ただ,2人とも礼欲しさに,自分の方へ来るよう言い張って喧嘩になり,床屋の鏡を割ってしまう。そこで下の句「割れても末に逢はんとぞ思ふ」をもじって,「割れても末に買わんとぞ思う」となる。

 アニメでは鏡を割ったことは省き,二人が「われてもすえにあわむとぞおもふ」とめでたく結ばれました。落語の方は落語らしいし,アニメの方は童話らしく終わらせていました。