日本の昔話で落語を引用する頻度がこんなに高いとは思いませんでした。今回観たのは,「ろくろ首」でした。お嬢さんにただ一つだけ傷があってお嫁にいけない。夜中に首が伸びるというのだ。頼まれた庄屋の旦那は甥を紹介し縁組が成立した。アニメでは,この甥が良く眠るため,ずっと気づかないでいたが,ある日気づいてしまう,という展開。慌てておじさんのところに逃げ込む。おじさんは「故郷の母さんも,お前が立派になって帰ってくるのを首を長くして待っている」と説得するが,甥は母もろくろ首かと逃げ出す。本当に首が伸びるのと,待ち焦がれていることを示す慣用句との混同がオチです。

 この落語も聴いたことがありますが,私のコレクションを探したところありませんでした。恐らく,聴いた落語を保存するようになる前に聴いたのでしょう。なお,同じように嫁をとらせる話に,「たらちね」があります。そちらの噺でのお嬢さんの傷は,言葉が丁寧過ぎるところでした。これについては10個以上のコレクションがありました。ろくろ首の落語では,婚礼の晩にこの事件が起こったことになっていたように記憶しています。アニメの方がうまい展開になっていたように感じました。落語は噺家さんが結構アレンジできるようですから,そのような噺にしている噺家さんもいるかも知れません。