NHKの“超入門!落語THE MOVIE”で春風亭一朝が語り,それを映像化したドラマをやっていました。3両入った財布を拾って,届けると「一度落としたものは俺のものではない」とか言って受け取りません。江戸っ子喧嘩になり,越前の裁定をあおぐことになります。奉行は,届けられた3両に1両を足し,両名に2両ずつ与えます。両名とも受け取ってしまえば3両懐に入るところ,2両なので1両損,奉行も1両出したので1両損,3方が1両ずつ損ということです。噺はここで終わらず,両名に膳を授けます。奉行が大食いしないようにとアドバイスすると,「大岡(多くは)食わねえ。たった越前(一膳)」と答えるのがオチです。

 他に古今亭文菊など2人の噺を聴きましたが同じオチが入っていました。オリジナルのオチと言うことだと思います。おしらすの後で膳をふるまうのは何か付け足したような,不自然な感じがします。あくまで,このオチを入れるために付け加えたようにしか思えません。笑えることは笑えますが。