按摩さんの噺です。目の見えない人が聴衆にいると差支えがあると考え,なかなかやられない演目のようです。自尊心の高い按摩さんがお得意の旦那さんの所で雷雨となり,泊って行くよう誘われます。蚊帳が吊ってある部屋に女中さんが手を引いて案内するのを,「わかるから」と固辞。蚊帳を上げて中に入ると布団が敷いてないので,不親切だと思います。それに狭いし,一晩中蚊に悩まされます。実は上げたのは蚊帳ではなく,その前の麻のれんでした。朝,蚊のことを話して,麻のれんと蚊帳の間に寝たことを知ります。その次に泊まった時は,旦那の家が気をきかせて,麻のれんを外しておきます。按摩さんは,それを知らず,最初に上げたのが今度は本当の蚊帳だったのに,麻のれんだと間違え,その先の蚊帳を上げて蚊帳の外にでてしまい,そこで一夜を過ごし,再び蚊に悩まされました。