倣い加工 | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 トリマの倣い加工には写真のような黒いアタッチメントをトリマベースに取り付けます。ビットよりわずかに径が大きい円筒がビットの周りにセットされます。ベースより数ミリだけ飛びだしています。被加工材の上に中を目的の形に抜いたテンプレートを重ねてトリマを掛けます。トリマはこのアタッチメントのため,テンプレートの中でしか動かなくなります。ビット径はアタッチメントの外径よりわずかに小さいので,被加工材はテンプレートの型よりわずかに小さく削れます。

 

 下の写真の一番上がテンプレートです。その下が被加工材です。上述のように,被加工材の研削された部分は,テンプレートより少し小さくなっています。そのため,写真ではちょっと色の濃い段差が見えています。

 

 この段差をとるのに,ボールベアリング付きビットを用いました。ボールベアリングの部分がテンプレートに当たります。ボールベアリングとビットの径が同じなので,段差が取れます。

 

 ボールベアリング付きビットを用いることにより段差が取れました。原理的には,最初からボールベアリング付きビットで倣い加工したら,2度手間になることはないのですが,ボールベアリングからビットまでの距離が固定なので,被加工材が厚くても一気に削る必要があります。そのため   ビットにもトリマにも負担がかかります。アタッチメントを用いた場合はビットの出を少しずつ増やしていくことで,無理せずに倣い加工ができます。最初にアタッチメントを用いて,深さをだんだんに増やして加工し,その後でボールベアリング付きビットで仕上げをするのが良いと思います。仕上げの時は段差の分だけの切削なので厚いところを一気に削っても負荷は大きくはないと思います。