前に電液漏れでリモコンが故障した話をしました。当初,電池との接触部分の腐食だけかと,電極部分を磨いてみましたが直りませんでした。電源の配線もやられたのかと思い,分解して直そうと思いました。開くのは結構大変でした。下側と上側のケースを固定しているのは10か所の爪でした。元々分解修理は考えていないのだと思います。はめるときはパチパチと留まりますが,外すのは大変でした。上下のケースの間にねじ回しやスクレーパーを挟み込みようやく半分ほど離れました。最後の下の方が開きません。もしやと思い,白いシートを剥がしてみるとネジが左右に1本ずつ見つかりました。これらを外すと上下が分かれました。
開くと電池の電極が露出し,基板表面も清掃しやすくなりました。リード線による電源の配線はありませんでした。とりあえず電極をしっかりと清掃し,組み立てなおしてみました。パチンと留めると,また開くのに苦労するので,はめ込みはしないでおきました。しかし,テレビをコントロールすることができませんでした。
基板面をちょっと眺めただけでは,あまり壊れている様子はわかりませんでした。
ところが,基板の下の方を見ると大変なことになっていました。リモコンの一番大切なIC回路付近がかなり腐食していました。電池の電解液で配線の銅箔が腐食し,できた塩が乾燥して沈着している状態でした。実体顕微鏡で見ながら,ケガキ張りの先で削り落としてみました。何か所もプリント配線が切断しているようです。この配線は非常に細く間隔も狭いので一つ一つはんだ付けで修復するのはかなり困難なようです。リモコンの代替え機もあることなので,一応修復はあきらめました。