軒下加温ケース内に指針式温度計を置き,温度管理をします。加温ケースの横の1面は二重ガラスにしたので内部が見えます。夜間,無照明でも見られるよう,温調器の電源インジケーター用のLEDの前に置きました。ケース外の温度も参考のため見たいと思いました。やはり無照明でも見えるようLEDを付けたいと思います。LEDは低電力で済みます。典型的には1/500 W程度で温度計の盤面を見るのに十分です。LEDを単純に電源に接続した場合,わずかな電圧の変化で電流が大幅に変わってしまいます。場合によってはLEDを破壊してしまいます。そこで直列に抵抗器を入れて電流を制限します。しかし,100 Vを電源とすると,直列にした抵抗器が,LEDの消費する電力の30倍もの電力を消費してしまいます。すなわち,1/500 WのLEDを点灯するのに0.7 W程度の電力を消費することになります。
コンデンサーは交流を流します。0.22μFのコンデンサーに50 Hz100 Vを加えると7 mAほどの電流が流れます。LEDを光らせるのに十分です。以前は下の回路図で働かせていました。ダイオードは交流のプラス・マイナスの両サイクルで電流が流れるようにするためのものです。このダイオードを省略して,2本のLEDをプラスマイナス逆に接続して使うこともできます。
しかし,最近同じ回路を作ると何回か電源をON-OFFしただけで発光ダイオードが壊れてしまいました。実は,交流の電圧が高くなったタイミングで電源を接続すると,瞬間的に大電流が流れるのです。以前の発光ダイオードは強く,それにより壊れることはありませんでした。しかし,最近の発光ダイオードはすぐ壊れます。発光効率が高くなった分,瞬間的な大電流には弱くなったようです。そこで下の図のようにコンデンサーを付け加えました。瞬間的な大電流は33μFのコンデンサーが吸収してくれます。これは,10μF以上であれば,発光ダイオードに3 V以上の瞬間電圧がかかることはなくなります。手持ちのコンデンサーの中で余裕をみて大き目な値のものを用いました。
テストのため,ブレッドボードに組んでみました。何度も電源プラグを抜き差ししてみましたが,LEDは壊れることなく安定に点灯しました。この回路はトランスを用いないので軽量です。