前にガラスをはめ込む溝の話をしました。この溝の深さについて考察してみました。当初,溝の深さを5 mm程度で考えていました。ガラスのサイズは溝の底まで届く程度にするわけにはいきません。木材の加工の誤差により,ガラスのサイズより狭くなる場合もあるからです。はめ込むものが木材であれば,締め付ければ変形して収まります。ガラスの場合は歪むのではなく割れます。ガラスの幅が狭すぎれば,溝から外れ落ちてしまいます。はめ込んだガラスは重力により,一方の溝の底まで達します。そのとき,反対側の溝には,溝の半分程度で収まる様にするべきです。5 mmの深さの溝の場合は,溝の底から2.5 mm位まで入り込む様にすべきです。さて,この場合の木材の枠の誤差は2.5 mmを上回ってはなりません。初心者の私としては,どの程度の誤差内に収まるかまだ分かりません。
そこで,溝の深さを10 mmにすることを考えました。そのとき,2本ある溝と溝の間が折れやすくなります。実際にやってみました。最初から途中まではうまく溝が出来ていきましたが,トリマが抜けるとき,溝と溝の間の部分がポキッと折れました。最後がまずい様なので,途中まで溝掘りをした後,反対側から溝掘りをしてみました。その場合,前(さき)に掘った所まで来たところで折れました。
トリマの刃が通るとき,溝間部分を押し広げる様に力がかかるのが原因であろうと,考え,反対側の溝には溝幅と同じ太さのドリル刃を挿してから溝を掘ってみました。最初,ドリル刃は振動で外れてしまいました。そこで,写真の様に両面テープを付けてから挿し込んで行ってみました。
その結果,溝間部分もしっかりと残り2本の10 mm深さの溝を彫ることができました。写真では,右側に節が見えますが,その部分もきれいに溝が入っています。
以上はテストですが,実際に長いものも10 mm深さで行うか,安全を見て8 mm程度にするかは製造精度と相談の上決めたいと思います。