特定の低周波を検出する方法を考える | 技術日誌

技術日誌

ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

[追加文]

 この結果だと,別のsin波との位相差が90°または270°の時は直流分が出ません。問題になるでしょうか。実験結果が楽しみです。

[以上,追加文]

 

 フェイスブックで,プッシュホンのトーンの組み合わせで車庫のドアを開けるリモコンを作ったという記事を見ました。私はアマチュア無線をやったことがあり,特定の周波数を選ぶ方法は慣れ親しんでいましたが,可聴周波での選別は行ったことがありません。おもしろい命題が見つかったと思いました。昔,機械的共振を利用して特定の周波数に応答するスイッチを見た覚えがあります。ここでは純電子的に行えないか考えてみました。

 数学のフーリエ展開では,元の信号に種々の周波数を乗じて時刻に対して積分すると,同じ周波数成分だけが残ります。これが利用できないか考えてみました。すなわち,元の信号に検出したい周波数を乗じて積分(平滑)するのです。元の周波数に乗じた周波数成分が含まれていると電圧が発生するというものです。元の信号に別のsin波を乗じる電子回路は平衡変調でできますが,単に振幅変調でも大丈夫だと思い,数式で見てみました。

 元の信号の振幅をA,角速度をωとし,変調する信号の振幅をB,角速度(周波数)は同じとすると,次式1行目の様になります。積和の公式を使って整理すると2行目の様になります。第1項と2項はプラスマイナス対称ですから積分するとゼロになります。3項目は定数なのでゼロ以外になります。すなわち,信号がONになります。

 

 次に,信号とは異なる周波数のsin波で振幅変調した場合を考えてみます。次式の様に,定数は現れないので積分すればゼロとなります。すなわち,信号がOFFになります。

 

 ということで,考えは机上ではうまく行くようです。いつか回路を作って試してみたいと思います。