ケースに回路を組んだ後,テストを行いました。遅延OFFボリューム最大で遅延時間をみてみました。2分の遅延がありました。設計では45秒,ばらつきを考えて60秒の遅延の筈でした。こんなにずれるものかと思いつつも,時定数のコンデンサを1000 µFから330 µFに変えました。ところが,今度は20秒程になってしまいました。何度か試しているうちに理由が分かりました。時々,切れる時間にリレーがチチッと言うのです。そのとき,遅延時間が延びました。再トリガがかかっているのです。最初にテストしたとき2分になったのは,1分後の切れる瞬間に再トリガがかかり,遅延時間が倍になったのでした。とりあえず時定数のコンデンサは1000 µFに戻しました。
再トリガがかかるのは時々でした。リレーと変流器の位置が近いので,リレー内の磁束が変流器に影響を与えているのかと考え,配線の許す範囲で変流器を一時的にリレーから離しテストしましたが,頻度は変わりませんでした。ブレッドボード内のリレー付近に1000 µFのパスコンを入れましたが変わりません。
ACリレーの電源を切ってテストすると全くトラブルは起こりませんでした。ACリレーが切れる瞬間の全てではなく,時々起こることを考えると,次のような仮説が成り立ちます。ACリレーのコイルが切断される瞬間,コイルに電流が流れているとその電流を流し続けようとするコイルの性質のために高いサージ電圧が発生し,他の回路に悪影響を与える。これを防止するのにCR回路を取り付けることが多く行われます。ここでも付けてみました。しかし,逆に誤動作の頻度が高くなってしまいました。
そこで他の対策を考えなくてはなりません。ACリレー(電磁リレー)をソリッドステートリレーに変えるのが最も有効と思われますが取り付け穴を変えなければなりません。今計画しているのは,トライアックを使って,リレーコイルには電圧が0 Vの瞬間に切る方法です。
左上の基板下部に小形リレーがありますが,そこをまたぐように1000 µFのパスコンを付けました。ACリレーを駆動しないときは正常動作しているので,これは必要ない対策だったと思います。次の対策として,ACリレーコイルに並列にCR回路を入れました。中央下部,横にネジ5本が2列に並んでいます。これはリレーの端子です。この右上のネジを利用して,CR回路のベーク板を取り付けました。