私はアルミ板を切断するとき,両面に傷をつけ,何度か折り曲げることにより切り折っています(下記URL参照)。
また,アクリル板は一般に,両面に傷を付け折り切ります。ベーク板も同様に切り折ります。これまで1 mm厚のものを折り切っていました。紙ベークライトはその構造から面に平行に劈開しやすいです。そのため,傷は深く入れるようにしています。
今回,3 mm厚のベーク板を放熱器の絶縁用に用いようと,この方法で切断しようとしました。厚いので,これまでの3倍くらい繰り返して傷を入れました。そしてアルミ板折り曲げ機で折り切ろうとしました。その結果,写真の上のベーク板のように,折れた相手側の内部をえぐってしまいました。以前は下の板のようにきれいに折った実績があります。
なぜ失敗したか考えてみました。写真をよく見れば分かる通り,今回の方が深く傷つけてあります。原因は,アルミ板折り曲げ機を用いたことにあるようです。折り曲げ機を用いない場合は,木の板をあてがい,傷を付けたところに力が集中するように心がけます。ところが,アルミ板折り曲げ機では,隙間のため,力が傷から少し離れたところに集中したようです。すなわち,ベーク板を円弧の様に歪ませます。その結果,ベーク板の性質と相まってえぐるような割れ方をしたのだと考えられます。
今回,厚いからアルミ板折り曲げ機を用いた方が,力がうまく入るだろうと考えたのが裏目に出ました。切っているときは,このような考察は思いつかなかったので,金のこで切断して,やすりで仕上げました。次回からはまた,傷を付けて折り切る方法を試したいと思います。