カッコイイということ(Ⅱ)/音楽から学べること | 家族を見つめる(家庭教育)

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音楽の世界(特に商業音楽)にもジワジワ感があります。
森進一さんが歌う「襟裳岬」という曲は、EP盤(若い人は知らないでしょうね)
のB面曲だったそうです。商業的にはA面がメインとなりますが、このB面
に収められた襟裳岬は、リスナーからの反響で、やがてテレビに登場すること
になります。作曲者は当時から有名だった”よしだたくろう”さんですが、
彼の名声を差し引いてもその支持は圧倒的なものに発展していきました。
そしてとうとう大ヒット曲となり、今も歌い継がれています。
この流れこそジワジワ感。しかもこのジワジワ感は、大きく発展していく傾向
があるように思います。

こうしたケースは決して多くありませんが、レコード会社ではなく大衆主導に
よって大いに支持されたということで、今も歌い継がれているという流れは、
本来のアートそのものではないでしょうか。森進一さんは当時から有名でした
が、よりによってB面曲が大ヒットするとはご本人も驚きだったのではないで
しょうか。それだけ、あの曲が素晴らしかったということでしょうね。
さて、それではあの襟裳岬が商業的アプローチがなされずにどうしてヒットし
たのか?大衆を惹き付けてやまない楽曲であった根拠があるのではないかと、
それこそ科学的見地から分析してもいいのではなかろうかと思います。
もちろん結果は別としてですよ。

しかし、分析はしなくてもこれだけは予想可能です。
”創造物には、人々の感性を呼び起こすものとそうではないものがある”
製作者の資格や名前ではなく、未だ謎に満ちた感性の理を携えることが大切だと。
その部分を追求することの意義を大いに感じています。
これは音楽もデザインも同じこと。
ほとんど主観からくる嗜好の傾向です。人によってはジワジワだったり強烈だっ
たりと、「嗜好の揺らぎ」があるのでしょう。
次回はこの嗜好の揺らぎについて考えてみることにしましょう。