・・・・・・忘れてはならない

・・・雪松署長(伊藤英明)の息子(菅生新樹)+3人の絶命者

・・・4人という数

 

・・・総務課職員・馬淵悠日(仲野太賀)、刑事課刑事・鹿浜鈴之助(林遣都)、会計課・小鳥琉夏(柄本佑)、生活安全課・鏑木星砂(松岡茉優)

 

・・・それと同数のこと。

 

 

“extrovert”(脱皮)・・・こうすれば・・・蝶になります。

・・・そうしなかった、あなたは蛾になりました

・・・・・・・・・いや、違う・・・そういうことではない。

 

・・・・・・完全な益虫なんていない・・・害虫が入り混じった益虫のようなもの

・・・それが、多数派、では?・・・ほとんど多数派なんだから。

・・・・・・そうでしょう・・・・・・毒持って佇む歪な妄想族ではあったけれど?

・・・刑事課刑事・鹿浜鈴之助(林遣都)のことだ。

 

・・・鈴之助は・・・「害虫」ならぬ悪魔を捕えた・・・警官以前にでは?・・・仲間たちの生命の危機・・・命懸けの縺れ合い・・・雪松署長(伊藤英明)の息子(菅生新樹)・・・何故君はそんなに悪魔だったんだ?・・・その理由は問わない・・・世の中で思うこと・・・ごねにごねを重ねてもそれはネゴシエーションにはならないのだから・・・結局所属する場所・・・そこでの益虫度数を上げるしかないこと?・・・残念だが、そうするしか大人にはなれないのだから・・・役に立つことのときめき?・・・鈴之助にはないだろうな・・・何で、この仕事を選んだのか?・・・鈴之助も気が付いたらこの職業を選択していたのでは?・・・ボーっと生きてたんではないんだけど・・・それじゃ、ふたつ人格があったことにでもしてみるか?・・・それは出来ない・・・冗談にもならない・・・星砂(松岡茉優)のこと

 

坂元裕二のドラマや映画を観ると、何処から何処までが何々で、その先から何々に変わったよ、というような分岐点はわりと希薄なことがある。しかし、鈴之助はここでこの職業を選んだ意味を嚙みしめる機会になったのだから紛れもなく、分岐点のようではある。でも、どうだろうか?本人はさほど意味を噛むことなくむしろ意味の丸呑みだったのではないだろうか?社会や世の中はやたりに分岐点は何処でしたかを?気にしたがる。そう。それに従ったふりをすること。鈴之助はそうしたのかもしれない。それは成長といえなくもない。いや、立派な成長だ。というか、「変化」だ。元のままの自身と変わったかな?の自身が入り混じりのいつ終わるかわからない過程にならないような過程。比率%なんて勿論わかりゃしない。この意味の丸吞みが私は坂元裕二のドラマの新しい展開のように思えた。

 

『花束みたいな恋をした』の同棲カップルの別れが私には坂元裕二の真骨頂だと私は思う。別れを決めた後も大人の事情やら何やらがあり、わりとダラダラ一緒に住み続け、決定的訣別のような分岐点らしき意味を持つ印象が終ぞみることは出来なかった。それがいい。ただ、あの時は戻らないんだなぁという感慨だけが増え続け、次第に終わり度数が深まって、はい、消えましたというような描写が良かった、のだ。まして消えましたということになり、数年経った後で、当時のストリートビューに自分達の残像をネットで見て、その残り香を嗅ぐ所業は好転的な後ろ向き?が素晴らしい。簡単に前には進むことだけに専念なんてできませんよ、観がとても良いと思ったのだ。

 

さて、『初恋の悪魔』である。星砂のふたつの人格。生活安全課・鏑木星砂(松岡茉優)に移行しつつあった。移行したり、路上蹲りの星砂に戻ったり、ほぼそれがなくなったかと思えば、やっぱり戻ったり、とか。

・・・・・・最後の夜・・・今日が最後だから?

 

夜を通して続ける無駄話・・・・・・果てどなく・・・続く、続く。

 

・・・”This night won’t last forever ! ”・・・・・・”won’t”じゃなく“want”なのに。

路上蹲りの星砂の残り香・・・いや、残り香ではない・・・そのままあなたでしょう

・・・ずっとそこにあなたがいて欲しい・・・でも、終わりは来る

 

・・・・・・星砂が鈴之助に背を向け、手を上げてサヨナラ

 

・・・・・・相米慎二の『東京上空いらっしゃいませ』の中井貴一と毬谷友子の別れを思い出した。

 

・・・・・・坂元裕二のこの分岐点・・・spotに当たった。

・・・こちらの分岐点は丸吞みなど出来ることではない

・・・何度も味わうことになるだろう。