去年の今日はこれを書いていたのか・・・・・

・・・・・・この風貌と大きさの異なりながらも、ゴロゴロと転がり続けかねない果物を一箇所に一端貯めてみましたが、大石静の面白さではないかと思うのだ。『知らなくていいコト』で水平に開かれながらも、視線のぶつかり合いを回避しながら、螺旋にならない程度に円を描くまろやかな丸みがフルーツバスケットに貯まって来たのだと思うのである。そう。だからこそ、『あのときキスしておけば』では、あらゆる愛のフルーツバスケットになったのだ・・・師弟愛・同士愛・夫婦愛・親子愛・・・愛という愛が一箇所のゴロゴロぶつかり合いそうになりながら、通い合っていたに違いない。

 

 

ネットニュースの記者・テレビ局勤務・新聞の論説委員。・・・父と息子そして祖父・・・三世代の価値観が交錯しながら、微笑ましくも決して薄味ではなく、濃いところは濃く、深掘りするところは実に深い・・・そんな、ドラマである。

 

またしても、大石静。快進撃である。『知らなくていいコト』・『恋する母たち』・『あのときキスしておけば』と連打である。これにはまずは脱帽である。量産ながら、緻密さは変わらないのがすごいことである。・・・世代論の対比はこの脚本家の頻出である・・・ただ、所謂・家父長的な権威が抑圧することは全くなく・・・まぁ、永く生きている人たちの威厳はあるのだけど・・・地層のズレはあるのだけど・・・その地層の齟齬や差異をみてみると・・・ひび割れたものではなく・・・破顔ではないのではあるが・・・眉毛が曲がったり、口元がほころんだりするような・・・微笑んでいる表情にみえなくもない!

 

大石静のドラマでは、様々な世代を重ねながら、それは紛れもなく縦の関係を残してはいるものの、水平の横の広がり、対比を思わせるものがある『知らなくていいコト』では、謎に包まれた事件の真相を墓場まで持ち込む父親とその真相を究明する報道記者の娘の対立は描かれたいたのだが、双方の考え方を尊重するスタンスであったし、拮抗するものの、対決姿勢ではあるものの、双方が双方のあり方を我慢するハードボイルドであったと私は思う。これは例えば、『恋する母たち』であれば、色々な男女のあり方が登場して、それぞれが我こそは一番の大きさなりとばかり誇示することもなく、かといって均等でもなく、ただ様々な果物がここに並べてみましたというようなフルーツバスケットのようなものだったのではないだろうか?そう。この風貌と大きさの異なりながらも、ゴロゴロと転がり続けかねない果物を一箇所に一端貯めてみましたが、大石静の面白さではないかと思うのだ。『知らなくていいコト』で水平に開かれながらも、視線のぶつかり合いを回避しながら、螺旋にならない程度に円を描くまろやかな丸みがフルーツバスケットに貯まって来たのだと思うのである。そう。だからこそ、『あのときキスしておけば』では、あらゆる愛のフルーツバスケットになったのだ・・・師弟愛・同士愛・夫婦愛・親子愛・・・愛という愛が一箇所のゴロゴロぶつかり合いそうになりながら、通い合っていたに違いない。

 

さて、新作『和田家の男たち』である。和田優(相葉雅紀)は、デリバリーサービスの配達員。コロナショックで会社倒産の憂き目をみている。和田寛(段田安則)は祖父。配達先で再会・・・いや、ほぼ会ったことない・・・微かな記憶。祖父は新聞の論説委員。この祖父の息子・和田秀平(佐々木蔵之介)はテレビ局の報道マンであり、優の父ではあるのだが、亡き妻の連れ子であるために血縁はない。・・・この三人が一緒に暮らすことになる・・・フルーツバスケットの準備はすでに整っている。

 

祖父が「書いたもの」や父が「映すもの」を優は「見ていない」。また、幼少の頃から優は、父の夕食を作っていたのだが、父は毎日帰りが遅いので、食べているものの息子が「作る」ところを「見てはいない」。・・・別に視線を回避したのではないのだけど、それぞれの「してなかった」ことを改めて何十年越しに「みたり」・「する」ことになるのが今回のドラマのようである。・・・息子はネットニュース記者へ・・・何を撮るか?・・・アルパカ!・・・何故?・・・まぁ、変わった風貌だから・・・変なものには変なものが乗っかることがある・・・息子が撮ったこの写真・・・父には違う視点が不意に湧く・・・政治疑惑の当人たちが乗っている・・・変なものに胡散臭いものが乗ることがある・・・アルパカが臭いかどうか、私は知らないが・・・もっと胡散臭いものが父にはみえた、のだ。

 

・・・この変な重ね合わせが奇妙奇天烈でありながら、そういうことありますよの平常心が妙に落ち着く・・・だって、ちょっと見ただの動物とひとが映った写真なのだから・・・これは、これで、変てこりんのフルーツバスケットである。

 

・・・でもこれは地層のズレのようなもの・・・まずは対立の構えになる・・・何故か?

君が映したものだが・・・わたしがみている箇所とどうやら違うようだね?・・・わかるかね?・・・という感じである・・・その写真撮ったのは、優なのに。

 

・・・視線は取り敢えず、ガチでぶつかりそうである。・・・このドラマは相当面白そうだ。