・・・ダンナさんが家出をしてから1年数カ月経過後・・・
 

ある日、私は自宅から一番近い駅の駅前で、自宅へ帰るため、長男と一緒にバスを待っていました。
たった今、ひとつ前のバスが発車してしまったばっかりで、

次のバスが来るまでに、その停留所にやって来た1番初めの客として、次のバスを待っていました。
いろいろ駅前のスーパーで買い物をしたので、左肩にハンドバックをかけ、両手にスーパーで買った食材を持ちながら、バスを待っていた。

すると、左の肩のバックの中の携帯から、着信を知らせてくれる”ジージー”と振動の音が聞こえた。
いつもたいてい、このような状況下(両手がふさがり、いつ次のバスが来るか分からない)では、
携帯電話をとらないが、なぜかそのときは、なんのタメライもなく、電話をとってしまった。

すると、“XX銀行の営業のSと申します。

このたび、新しい金融商品が出ましたので、ご紹介させて頂こうと思いまして、お電話させて頂きました。

今、少しお時間よろしいですか?”
 
その時、なぜか、思わず、“はい。どうぞ。”と言ってしまった。

・・・・この電話が、のちに、私と長男が起業するきっかけとなった1本の電話です・・・・


銀行の営業Sさんによると、“新しくなった学資資金、もしくは、リフォーム資金を借りて下さい。”
“どちらか必要とされている資金はありませんか?”と聞かれた。

私:どちらも必要です。
 
S氏:ちなみに学資資金ですと、今お子さんは何才ですか?

私:中2と小5の男の子です。
 
S氏:いくらくらいお借入されたいですか?

私:300万円です。

S氏:はい。わかりました。
・・・・・・・・・・・・・・・
今まで、私は住宅ローン以外に、金融機関からお金を借りたことはなかった。
銀行からお金を借りるまで、どのくらいハードルが高いか。ということを、よく知っていた。
たとえ100万円の事業資金として、金融機関からお金を借りる場合、
・事業計画書
・2期分の決算書
・その他、担保や保証人などの設定などなど・・・
テーブルに頭をこすりつけて、全部万端すべて用意できたとしても、
銀行から帰ってくる答えは、否定的な答えだということを。
 
・・・・
それなのに、“2-3分の電話で、学資資金で300万円かして欲しい。“
の返答が、
“はい。わかりました。”

なんじゃーそれはー???
・・・・
次の日、XX銀行のS氏と面談の約束をして、その電話を終わらせた。
S氏との面談では、学資資金への必要書類(子供達の住民票や、私と不倫中のダンナさんの源泉徴収票、
婚姻を証明する書類などなどを提出した。)

 

(源泉徴収票には、昨年のダンナさんの収入や、現在どちらにお勤めなのか?の情報が記載されています。
ダンナさんは、それを知らせたくないため、それらの書類を、ダンナさんから直接K氏へ郵送してもらいました。
やりとりは、ダンナさんの昔のEメールのみ。
この書類(ダンナさんの源泉徴収票の取得)をクリアーするのが1番、大変で頭を使いました。)
 
・・・
結果として、150万円の使途を問わない学資資金を借りる事ができました。
 
次に私が行動したことは、
この資金を全額、ある投資(株のようなもの)につっこみました。
半年寝かせて、
それを、毎日、最小単位で、“その日の最高値で売る“という作業をやっているのが、私の長男です。
 
”中2のディーラー”です。
 
・・・・・・・
私は、ダンナさんに捨てられました。
金融の世界でも、捨てられた株のようなものがあります。
捨てられた者同志・・・
 
世の中、
“捨てる神もあれば、拾う神もあり。”です。
 
・・・・
 
日本でゴミとして取り扱われている廃品回収に出されたお洋服達も、
発展途上国の貧しい村の子供達にとったら、宝物なのです。
 
“物の見方というのは、なんでも自由です。”

・・・・
もし、私に、ダンナさんが稼ぐ2倍の収入があり、
ダンナさんより高い車にのり、
ダンナさんより大きな家に住み、
時間もお金も自由に使える人間ならば、

私が、ダンナさんを捨てた。
と言えるのです。
 
私は、そうなりたいし、そう言いたい。