♯172 否定と肯定 | コイケマサヤのオフィシャルブログ
{DFD4E253-13FB-45B0-BADA-9853C886BB5E}
ホロコースト否定論者がホロコースト研究家を名誉毀損で訴える❗️って嘘みたいな本当の話の映画化です。

結論から言うと、手堅く纏まっていて良作だけど、こぢんまりした印象です。

ただ今、観るべき映画でしょう。

20年近く前の裁判。しかも常識で考えれば判決が分かっている事案を映画化する意味は❓政治意識も低く、世界情勢にも疎い自分でも直ぐ分かりますえー

Twitter を開けば直ぐ見れる、極端な思想的偏向を持った人たちの歴史の歪曲、捏造、相容れない思想の人達への誹謗中傷の数々。

公の場で明らかな差別的な発言をしながら「あれはちょっとした仲間内の冗談です、誤解です」と弁解する公人。

差別論者が言う「自分は〇〇の知り合いも沢山いるし、〇〇を差別してません!一部の〇〇に対して問題提起をしているだけです」という詭弁。

両論併記と言えば聞こえが良いけど、面白い方、見た目が派手な方を重視するマスコミの報道。

笑ってしまうほど、今も昔も変わらない所にビックリキョロキョロ

極論を極論だと分かって、パフォーマンス的にアジテーションし、傍聴人を煙に巻き、魅了するホロコースト否定論者ディヴィッド・アーウィングが、劇中でヒトラーに例えられますが、確実にトランプ大統領も意識しています。恥ずかしながらアーウィングの事を知らないので、正確には分からないんですが、マスコミの囲み取材の時に女性蔑視発言や差別的な発言を繰り返し言う場面がありました!わざわざインタビューの時に自分の不利な事を言うのは、裁判中なのに不自然ですよね?トランプ大統領を意識して演出されたシーンじゃないでしょうか? 

中盤に正論も派手なパフォーマンスの前では無力って恐ろしい展開もありました。マスコミの関心は歴史的に正しい証言よりも、見出しになるスキャンダラスな発言❗️まぁ商売だからしょうがないんですがね。

ホロコーストの有無の論点がズレてきて、ある種のダブル・スタンダード論に変容していくのも怖いですね。

意図的に歪曲された史観が生まれるプロセスが垣間見えましたびっくり

正しい事をわざわざ主張しなければいけない裁判が、自分の考えと違う形で動いていき、疎外感と不信感を募らしていくホロコースト研究家デボラ・リップシュタットにレイチェル・ワイズ。

完全にどうかしてる人なのに、魅力的ですらあるディヴット・アーヴィングにティモシー・スポール。実際、この怪演で映画がかなり救われています❗️

ただのビジネス弁護士、事務屋かと思ったら意外と熱いチーム・リーダーや、飄々としながらも、実はやり手の弁護人だったトム・ウィルキンソン

など主要キャストはみんな良いんですが…。感情論になって無益な誹謗中傷合戦にさせない為、あえて被告(レイチェル・ワイズ)に証言させないびっくりって法廷戦術はナルホド❗️と思ったんですが…。やっぱり直接対決が無いとドラマは盛り上がらないですよねキョロキョロ

そして結果的にはそれが一番、正しかったって事にはなるんですが…。やっぱり盛りあがらない!

感情的な極論や、一部を誇張してあたかも正しい事の様に主張する説や、いわゆる妄言より、歴史や研究に裏付けされた事実の方が正しい!って結論には感動したんだけど…。やっぱり地味です。

テーマに対して生真面目過ぎたのか?そもそも映画の面白さ(娯楽性)と、深いテーマを描くって事は相反する物じゃない気もするけど?

まぁお話を盛ってドラマティックにし過ぎたら、この映画で声高にNO❗️と言ってる、誇張や歪曲や捏造された物を真実であると宣言する行為になってしまうから、これがギリギリの線だったんでしょうか?

個人的には高須院長の感想が聞きたいですね爆笑YES!と言って欲しいですが、難しいでしょう。ではまたパー