「夢と現実の違いは?」
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すっかり日も落ちた頃、逸見は居間のソファでコーヒーを啜っていた。
忙しい宴から帰って来て、くたくたに疲れていた。
この日あった事を、一つ一つ拾い上げるように思い出していると、不意に聞き覚えのある大声に名前を呼ばれた。声の主である綾織は、隣に座って逸見の肩に腕を回した。もう片方の手には、初対面の少女に貰った羊皮紙が握られている。
「ん、どうした?」
「えへへ、何だかこれを見てるとわくわくしてさ!!」
羊皮紙を逸見の顔の前に持ってくると、頬を合わせるようにして自身も羊皮紙を覗き込む。
「家に帰って来て「終わったんだな」って気がしてたけど、その土産だけはさっきまでの雰囲気そのものだな。」
「どんな夢が見れるんだろうなぁ・・・!」
「夢の中でくらい、ゆっくりしたいもんだね。今日みたいなのは勘弁だ。」
快活に笑いながら、綾織は逸見の肩をぐっと抱き寄せる。その様子からも、かなり上機嫌である事が窺えた。
「一緒に夢を見るんだから、夢の中でも一緒にいてくれな!!」
「そりゃ無理だ、申し訳ないけど。」
「むー、そこは「そうだね」って言ってくれよ!」
「それも無理。まぁ、目覚めた後は近くにいるからさ。」
「おう!それなら許してやるぞっ!」
「何じゃそりゃ。」
後に見ることになる酷く長く感じられる不思議な夢を、逸見には想像することは出来なかった。