そーなうひーいっと。81 | 黒歴史の廃棄処理場

黒歴史の廃棄処理場

かつて、一人の男が作り続けていた黒歴史の墓場。

一部15禁程度の描写があるので、(整理はしたが)閲覧注意。
そうでなくても、公開しているのは黒歴史。帰るなら左上。

それでも、と言う方はごゆっくりどうぞ。

「只今・・・って、何してる。」


居間のフローリングの上。

膝を曲げて仰向けに寝そべり、何度も上体を起こす綾織の姿があった。


「何って、筋トレだぞ!」

「いや、見れば判るよ。」

「あぁ・・・いつもは部屋でやっていたからな!」

「成る程。いや、成る程じゃない。お前は人ん家で何してる。」

「駄目だったか・・・?」

「駄目?そんな事言ったか?」

「そうか!」

「で、何故筋トレ?」

「ムキムキになりたい訳じゃないぞ、運動をする事が大切なんだ!」

「うわぁ・・・居候無職の発言じゃねぇ・・・。」

「お前もやるか?」

「いや、遠慮しておく・・・所で。」


逸見は持っていた大きな包みを、綾織の前に置く。

ドサッと置かれたその包みに、綾織には、あまり重量感は無かったように見えた。


「じゃ、渡したからな。」


そして、逸見はそそくさと部屋の方へ歩いて行く。


「開けても良いのか!?」

「開けなくてどうするの?大した物じゃないけど。」


短く言うと、逸見は部屋の扉を開け、身を隠してしまう。


「渡したって・・・何の話だ?」


う~ん、と唸りながら綾織は考えた。

そして答えに気付き、嬉々として包みを開ける。

中には、もふもふの白い小動物のぬいぐるみが入っていた。

赤い首輪が付いていて、手足や耳、尻尾は小さく可愛らしい形をしている。

人が抱きしめられる位の大きさで、抱きしめると暖かく柔らかかった。


<信じられるか?一億人殺したんだぜ、こいつ。


***


部屋の扉がノックされる。


「あー、はい?」


逸見の返事が半分も終わらぬ内に扉が開き、入ってきた綾織が甲高い声を上げる。


「何だあれは!!」

「あー・・・気に入らなかったか・・・」


逸見が気まずそうに言うのもお構いなしに、綾織は続ける。


「可愛いじゃないか!!あったかくて、やわらかくって、もふもふで・・・あぁもぅ、可愛いなぁ!」


見れば、綾織はしっかりとぬいぐるみを抱いていた。


「有難うな、拓未!!」

「どういたしまして。」

「でも・・・誕生日プレゼント、くれないんじゃなかったのか?」

「じゃあ返して、って言ったら?」

「嫌だぞ。これはお前が私にくれたんだから、もう私の物だ!返さないぞ!」

「そうかい、そうかい。いやぁ、ね。ちょっと驚かせようかと思っただけだよ。この間のとは違う意味で。」

「ふふ、そっか!」

「そうですよ。わかったら出て行け。」

「何でだよ~、冷たいなぁ。」

「莫迦、アンタの予想以上の反応に照れてるんだよ。」

「こいつも可愛いけど、お前も可愛いな!」

「はー・・・素の性格を可愛いって言われたのは初めてだ。感覚狂ってるんじゃないの?」

「返事は可愛くないなぁ。」

「うるせぇ。」


そっぽを向き表情を隠す逸見に対し、綾織はその笑顔から更に笑って言った。


「とにかく、有難うな!!」

「・・・はいはい。」


(来年、或いは再来年とやらの、今年は用意できないらしいプレゼント。そんな表情で礼を言われたら、絶対用意してやりたいとか思ってしまうだろうが・・・あーぁ。実の妹も、この位可愛かったらねぇ・・・でも、あいつも旅行とかの土産は素直に喜ぶんだよなぁ。ブツブツ・・・)