西加奈子著《きりこについて》
お話は「きりこはぶすである。」からスタートする。しかもぶすが太文字で強調され、きりこがどれほどのぶすであるかが刻銘に表現されていく。
そのぶすの所以たるものも分析されている。
そのぶすに対する周りの反応、対応を分析することにより、世の中の真実が見えてくる。
人はみな容れ物に捕らわれ、自分の容れ物に対する他人の評価に捕らわれる。
10代を容れ物に対する評価で閉じこもり続けたきりこが、悲しみにより人に究極の癒しを提供できるようになったとき、
「うちは容れ物も、中身も込みで、うち、なんやな」
「今まで、うちが経験してきたうちの人生すべてで、うち、なんやな!」
と自由を掴んだ。
爽快!!!
独特な表現と関西弁という、西様マジックで軽快に読み進められ、笑いまでも込み上げてしまうけれど、実は重く深い内容だった。
このお話は賢い賢い黒猫ラムセス2世による、自慢のきりことの日々を綴った手記。
だから、『きりこに捧ぐ』なのね。
子どもはいつもお酒に酔った状態というラムセス2世の分析がウケた。
