上野にある
東京都美術館にて開催中の
田中一村展
奄美の光 魂の絵画
アンリ・ルソーを思わせるような
フライヤーに惹かれて
行ってみました
中の写真はNG
フォトスポットが2カ所
代表作
アダンの海辺
こちらは
不喰芋と蘇鐵
くわずいもとそてつ
幼少期から亡くなる直前までの
絵やスケッチ、資料など
250件超の展示は見ごたえがあり
その天才ぶりに感銘を受けた
年代順に展示されていて
はじめの絵は6歳のときのもの
幼子が描いたとは思えない
完成された絵で
未熟さとか青臭さが全くなく
老練の絵師が描いたといわれても
信じてしまいそう
まさに神童!
10代、20代前半に描いた南画も
非常に完成度高く
水墨画は落ち着いた印象の中にも
迫力があり
彩色画はとても華やかで
筆数はどれもとても多くて
筆致はダイナミックなのに
雑な感じは全くなくて
荒々しい印象もありながら繊細で
若くしてこんなに描けたら
いったいどんな人生を歩むのか
末恐ろしくなる
なのにその後の人生はかなり違ってた
東京藝術大学に一発合格したものの
家の事情で2ヶ月で退学
その後は家族の不幸も重なり
不遇な時期を過ごす
絵は続けていても
画壇で評価されることはあまりなく
その頃の絵画は
素人の私が見ても
なぜか凡庸な印象のものが多い
スランプだったのか
50歳で奄美大島に移住
大自然にインスパイアされて
覚醒したかのように画風が変わる
魂の輝きを宿しているかのよう
と表現されるのも納得な
印象的な絵ばかり
生前はほぼ無名だったのに
没後有名になったというのが
ゴッホを思わせるし
南の島の大自然にインスパイアされた
というのはゴーギャンを連想する
知人や近所の方に頼まれて
鉛筆で描いた写真肖像画というのが
まるで写真のように精緻に描かれていて
神童が成長して確かな技術も得ていた
のが確信できる
なのになぜ不遇の人生だったのか
画家というのは
スポンサーに恵まれないと
なかなか難しいんだなぁ
これまで意識してなかった存在の
天才画家の絵を楽しみつつ
色んなことを考えた展覧会でした
12月1日まで