シアタークリエにて


 

ミュージカル
町田くんの世界


少年忍者の川﨑皇輝くん

主演だから取ったチケット

ネタバレなしのまっさらな状態で観劇

町田くんの世界とは
現実には存在しないような
すごく不思議な世界でした


帰ってから調べてみると

2015年ー2018年に
別冊マーガレットで連載された
安藤ゆきさんによる
累計140万部の人気作が原作



ストーリーは不思議じゃないんだけど
主人公の町田くんが不思議な少年

町田はじめ
17歳の高校生

物静かでメガネ
そんな外見とは裏腹に成績は中の下

アナログ人間で不器用
運動神経は見た目どおり

弟妹4人の世話をしながら
間もなく出産する母親を支え
家族全員から愛されている

人類みな家族的に愛していて
その言葉と行動でみんなを変えて行く

周りの人たちは気付いたら町田くんを
好きになってしまう



そんなマザーテレサのような
菩薩のような方に
現実世界ではお会いしたことないので
なんかふわふわした感じ

みんながお互いを思いやれる
現実もそんな平和な世界になるといいね



ミュージカル初挑戦の
川﨑皇輝くん

もともと歌は上手な方なんだけど
若干手こずってるかなぁという印象

でも初挑戦で開幕間もないから
十分及第点かな

演出家の方からはとても褒められてた
伸びしろしかないので今後に期待


テクニカルには多少課題ありとしても
キャラクターは
皇輝くんは町田くんにぴったり

21人という大所帯の少年忍者を
とりまとめるリーダーで優等生


ファンからは川﨑プロと呼ばれるほど

キャラクターとしてこれほど
町田君っぽい人を他に思いつかない
それくらいはまっている

いったいどなたがどういうきっかけで
彼を探しあててくれたのか
ご縁に感謝ですね

カテコのご挨拶もとっても立派で
ちゃんとしていた
さすがプロ!




※以下、ちょっとネタバレありの感想



日本発のオリジナルミュージカル

舞台上にバンドも含めて常に全員いて
主役以外が1人何役もこなし
ときには黒子もこなすスタイル

シンプルなセットは観客の想像力で補う

このやり方は今年観ただけでも
モンスターコールズ(イギリス)
カムフロムアウェイ(アメリカ)

に続いて3作目

ここまで続くとこの手法はもはや
演劇界のスタンダードなのかも

演者は大変だろうけど
最低限の人数でコンパクトにやれるし
舞台裏っぽいところも見えるので
観てる側も感動が大きい


舞台の上に2階建てのセットがあって
それが演者さんたちと黒子によって
グルグルと結構なスピードで回される
それも始まってから結構長い時間ずっと

2列目センターのお席だったんだけど
近すぎるせいか車酔いのように
やや気分悪くなりかけて
あわててのど飴舐めて落ち着かせる

途中で止まったからよかったけど
回りすぎな感じ

席が悪かったのかな
上のほうが見切れてしまったし

10列目くらいがいい席なのかも

抽選で買ってるので席は選べなかった



面白すぎて笑ってしまったのが
大ベテランの吉野圭吾さん

舞台にでてきたら
町田君のお父さんか学校の先生かと
思うじゃないですか?

それがまさかの町田君の弟役
しかも末っ子
名前が「けいご」

枕を子供たちに見立てた演出
意外とすんなり受け入れられるの
これも不思議な世界

吉野圭吾さん
他にも大活躍で
バス停役してたと思ったら
すぐバス運転手役になったり
変幻自在


湖月わたるさん

主にお母さん役
でも通りすがりのおばあさん役も
さすがベテランって感じ


他のキャストは若い方々ばかりなので
圭吾さんと湖月さんのベテランが
作品にしっかりした重みを加えていた


若いキャストのみなさんは
フレッシュで瑞々しくて若さあふれる
青春時代を思い出させてくれる
そんな舞台でした

 

 

クリエイティブ

原作:安藤ゆき
演出:ウォーリー木下
脚本・作詞:ピンク地底人3号
音楽・作詞・演奏:和田俊輔

 

 

キャスト

川﨑皇輝:町田一
長澤樹:猪原さん

神里優希:氷室くん
斎藤瑠希:栄さん
礒部花凜:さくら
浜崎香帆:ひかり

大月さゆ:英子先生

岩橋大:吉高

鶴岡政希:西野くん

湖月わたる:母さん
吉野圭吾:健一(ひかりの父)
 

 

バンド

キーボード・コンダクター
和田俊輔
 
ヴァイオリン
三國茉莉/金子由衣
 
ピアノ・キーボード
ヤマザキタケル
 
ドラムス・パーカッション
矢尾拓也
 

 

上演時間

休憩なし2時間10分

 

 

あらすじ

ある春の日の朝の町田家。
長男の一、弟妹4人と母、仕事の都合であまり家にいない父という家族構成。

学校で授業中に怪我をしてしまった町田くんが保健室に行くと、そこに授業をサボっていた同級生の猪原さんがいた。

猪原さんは彼の傷の手当てしてくれたにも関わらず、「私、人が嫌いなの」と言い放ちその場を去る。町田くんは彼女がなぜ周囲を拒絶しているのかが気になる。

猪原さんは過去の学校でのいじめと家庭環境のせいで、人と距離を置くようになっていたのだった。

それから間もなく、町田くんは猪原さんが街中でナンパされているところに遭遇する。
思わず駆け出し「僕の大切な人なんです」とナンパを阻止する町田くん。

「大切な人だよ。クラスメートだ」と紛らわしい言い方だけど、まっすぐに心配してくれる町田くんを猪原さんは意識し始める。二人の距離は徐々に縮まっていく。

他のクラスメートは、モテモテイケメンチャラ男の氷室くん、達観した感じの栄さん、失恋したばかりで町田君に料理を教えてくれるさくら、冷えた家庭環境のひかり、猪原さんに恋する西野くんなど。

スーパーポジティブな町田君がもたらす、クラスメート以外のミラクルエピソードもいくつか。

偶然出会ったたこ焼き屋さんの健一と、彼の娘で同級生のひかりとの仲を取り持つ。

偶然再会した幼稚園のときの先生である英子先生が、婚活がうまくいかなかったと嘆いているのを、新郎の代わりに一緒にウェディングフォトを撮って慰める。

そのウェディングフォトを見せた猪原さんが泣いて走ってってしまった後、呆然としながらもおばあさんに席を譲る町田君を見た会社員の吉高は、仕事も人間関係もうまくいかないのは自分にも問題があったのではと、自らを振り返る。

お母さんに言われて、町田君はやっと、自分が猪原さんのことを好きだと気が付く。