日生劇場にて
数々の演劇賞を受賞した
ブロードウェイミュージカル
カム フロム アウェイ
911にまつわる実話の舞台化で
日本初演
カムフロムアウェイとは
遠くから来た人々ということ
12人の出演者のみで
100人近くの役を次々に演じ
ドラマが交錯する濃密な100分間
どんな感じかというと
超豪華でミュージカル調の朗読劇
私はそんな印象を持った
朗読劇といってもみんな
とても激しく動き回りますけどね
全員主役級の実力派スターを
12人も集めたからこそ
実現できた舞台だと思う
とにかく素晴らしいの一言に尽きる
舞台となったカナダの
ニューファンドランド島
真ん中の赤い点のところ
2001年9月11日に発生した
同時多発テロ事件
事件当日
アメリカ領空が閉鎖され
4000機以上が最寄りの空港へ
約7000人の乗客や乗員を乗せた
ヨーロッパ系の飛行機38機が
着陸したのは
ニューファンドランド島にある
ガンダーという小さな町
ガンダーは国際空港があるものの
人口1万人足らずの本当に小さな町
そこで過ごした5日間の心温まる物語
開演までは撮影OK
以下ネタバレありの感想です
舞台上にあるのは椅子とテーブルだけ
衣装の替えも必要最低限
しかも普段着のような衣装
シンプルな舞台演出で
小物を効果的に使って
俳優さんたちの熱演だけで
臨場感をかもしだす
911関連は恐かったり悲しかったり
するのかなと心配してたけど
とても過酷な環境の中で
助け合って乗り越えた人々の
心温まるお話だった
これがメルヘンではなく実話だなんて
本当に驚く
欧米は日本より個々で生きていく
そんなイメージが強いから
災害時の避難所のようなところで
人種バラバラ、知り合いでもない
そんな人々がはじめは警戒しながらも
徐々に心許し合い助け合うようになる
しかも突然降り立った人が7000人
受入側がわずか1万人
とんでもないことが突然起きたのに
見知らぬ異邦人に惜しみなく愛を注ぎ
謝礼も受け取らず旅人を送り出した
ガンダーの人々
その後故郷に戻った旅人たちから
ガンダーに謝礼や寄付がたくさん届く
そして10年後ガンダーにみんな集まり
旧交を温める
これが実話だというリアリティを醸す
悲しいエピソードで心に残ったのは
2つ
ひとつ目は万里生さん演じる
イスラム系のエジプト人が
本当は善良で腕のいい料理人なのに
滞在中もはじめのうちは
根拠なく警戒され遠ざけられ
帰るときもセキュリティチェックで
女性クルーの前で全身チェックされる
これは宗教的にありえないこと
恥ずかしめと感じながらも耐え抜き
暴れたり絶望したりせず職員に従う
こんなことがあった後だから
イスラム系の人を警戒するのも
理解できるけど
される側からすると本当に悲しいよなぁ
ふたつ目は森公美さん演じる母が
NYCで消防士をしている息子と
連絡がとれないこと
何度もあちこちに電話して
最後のほうで亡くなったことがわかる
そんな悲しみを持った方々が大勢いた
俳優さんたち
みなさんとっても素敵だったんだけど
やっぱり濱田めぐみさんの
歌声は心に響く
史上初の女性機長の役で
911の飛行機に乗っていたのが
同僚のパイロットだったの
そんな状況で乗客乗員の命を預かる
覚悟の力強さを感じる歌声だった
とても素晴らしい舞台だったんだけど
ひとつだけ戸惑うシーンがあって
乗客がまだ飛行機の中に閉じ込められてるとき
気を紛らわすためにお酒を飲んで
陽気になったそのとき
咲妃みゆさんと森公美さんがいきなり
胸をはだけたの
あれは何?
そういう演出?
必要なシーン?
セクハラでは・・・?
私的にはちょっと納得できてない
咲妃みゆさんって本当にほっそい!
他の女優さんたちもスマートだけど
その中でもとりわけほっそい!
それが更に強調されるシーンでもあった
ぴあ貸切公演なので
スペシャルカーテンコールで
たくさんお話していただいた
貸切ってなんだかお得
はじめのMCは橋本町長
僕は向いてないってすぐ他に振る
次に万里生さんが優等生のような
真面目な話
次は「絶対話したくない」と断った
3人
安蘭けいさん、柚希礼音さん
石川禅さん
みんな恥ずかしがりで可愛い
吉原光夫さんが不満があると言い出す
ウケるはずのところがスベッてたって
観客が初めての人が多かったので
間合いがちょっと違ったんではないか
それは橋本ガンダー町長が可愛らしく
マスコットキャラみたいに
ポーズするところ
カテコでもやってくれてみんな拍手
最後は観客もみな全員でやりました
こんなところもカンパニーの仲の良さ
でてますねー
あんな難しい作品を息を合わせて
やりとげたら一体感もハンパないよね
モンスターコールズ思い出しました
なんていうのかわからないけど
すごい演出法です
こんなすごい舞台なのに
まだチケットあるみたい
迷ってる方がいるなら
いますぐチケット購入おすすめします
東京は3月29日まで
キャスト
橋本さとし:クロード(ガンダー町長)など
濱田めぐみ:ビバリー(史上初の女性機長)など
咲妃みゆ:ジャニス(新米リポーター)など
安蘭けい:ダイアン(ニックと恋におちる)など
石川禅:ニック(イギリスの石油系の会社員)、ガンダー航空管制官など
浦井健治:ケビンT、ガンダーバス運転手など
加藤和樹:ボブ(警戒心の強い乗客)など
シルビア・グラブ:ボニー(動物愛護家)
田代万里生:ケビンJ(ケビンTの秘書兼パートナー)、イスラムのエジプト人料理長、など
森公美子:ハンナ(息子がNYCで消防士)
柚希礼音:ビューラ(ガンダー受入側のスタッフ)
吉原光夫:オズ(ガンダー警官)、ユダヤ人など
スタンバイ:
上條 駿
栗山絵美
湊 陽奈
安福 毅
上演時間休憩なし100分間