思いがけず
心ふるえる感動の作品に出合った
後半は涙が止まらなかった
でも終わった後はあたたかい気持ちに
今を生きる
強いメッセージをもらった
博品館劇場にて
ミュージカル
Play a Life

企画・製作 TipTap
作・演出 上田一豪
作曲 小澤時史
演奏 Pf 戸谷風太
Vc 石貝梨華
出演
白猫チーム
佐藤隆紀(LE VELVETS)
平川めぐみ
屋比久知奈
上映時間
休憩なし80分
あまりプロモーションされてなくて
偶然見つけたミュージカル
小さな劇場だから舞台が近いはず
日比谷ブロードウェイに出てた
シュガーさんと屋比久さんが出る
近くで2人の美声を聞けるのは嬉しい
そんな軽い気持ちでチケット取った
オリジナルミュージカルなので
それほど期待もせず
それはいい意味で激しく裏切られた
セットチェンジのないシンプルな舞台
出演者は3人だけの80分間
こんなに感動するなんて
心が洗われるような時間だった
ピアノとチェロの生演奏で紡がれる
3人の美声を聞くだけで耳福
俳優さん3人の繊細な演技も
さることながら
作・演出の上田一豪さんの才能が
素晴らしい
上演は7日初日で12日まで
こんな感動の名作なのに
公演期間がなぜこんなに短いのか
もったいなさすぎる
まだチケット少しあるみたいだし
当日券あるそうです
ご興味ある方はぜひ!
ネタバレなしで観るのがおすすめ

終演後の舞台は写真OK
※以下ネタバレありの感想
7列目の通路側の席
前半はコミカルなやりとりが多くて
ときおり客席に笑いが起こる
楽しい展開
日比谷ブロードウェイも
ベートーヴェンも画面越しだったから
去年福岡エリザ以来の生シュガーさん
甘い美声に聞きほれる
この方の声が好きなんですよね
お茶目な感じもそのままで可愛らしい
演技もとても繊細で
思わず抱きしめたくなった
屋比久知奈さん
去年のジェーン・エア以来
歌が上手なのは知ってたけど
コメディエンヌとしての才能もすごい
彼女の演技で一番笑ったかも
はじめましての方
きれいで魅力的で歌声も素晴らしい
なぜこれまでお会いしてないんだろう
とにかく3人ともとても素晴らしくて
演技も歌声も引き込まれる
楽しく観ていると
少し不穏な感じになってきて
あるとき突然状況を理解する
そういうことかと
その瞬間今まで見えてたものが
全部違う意味を持って迫ってくる
後半は涙が止まらなかった
こんなに泣いたのは
去年のチョコレートドーナツ以来
あのときと違って
理不尽に抗議する涙ではなく
人が持つどうしようもない悲しみに
激しく共感する涙
特別な人じゃなくて
身近にいそうな人々の物語
自分もそんな感情に悩んだことがある
たぶん小さな劇場だからこそできる
生身の人間が持つ感情に共鳴する
そんな感覚
登場人物3人すべてに共感し
どっぷり感情移入し
悲しみを乗り越えて生きていく覚悟
そんな80分だった
今はあの80分間の自分の感情を
反芻している
思い出すだけで少し涙がにじむ
公演期間がもっと長ければ
クールダウンしてもう1回観たいな
あらすじ
役者の夢を諦め、映画を題材に歴史を教える非常勤講師に、指導されることになった教育実習生。
好きな映画を尋ねられ、ロビン・ウィリアムズの「いまを生きる」と答える。
彼女の答えは彼に自分と妻の出会いを思い出させた。
ロビン・ウィリアムズのファンであった二人は、ロビンがアカデミー賞にノミネートされた時にロビンの映画特集をしていた名画座で出会い、最後の1冊だったパンフレットを一緒に買うところから恋に落ち、夫婦になった。
彼女は映画に憧れて教師に、彼は俳優を志した。
いつの間にか妻は教師を辞めて、夫は高校の非常勤講師を務めるようになっていた。
そして二人の生活には1匹の猫。
妻は出かけることもなければ、家事もしないし、夫と一緒に食事をすることもない。
猫の世話も夫の役割。
ひょんなことから教育実習生の恩師が、当時小学校の教師だった彼の妻だとわかる。
教育実習生はそこで初めて、彼の秘密に気が付く。
5年前の雨の日、自転車で急いでいた妻は、横切った猫をよけるため転び、道路に投げ出された。
それからずっと猫の世話をし、妻が消えてしまわないように、妻と一緒にいるかのような生活を続けていた夫。
教育実習生は、夫の部屋を訪ね、亡き人の声が聞こえると言って、妻の声を代弁する。
こんな生活は望んでないと。
夫は夫の人生を生きてほしいと。
亡くなった人はいなくなるんじゃなくて、生きている人の人生に溶けてその一部になるのよ、と。
それは小学校時代、おばぁちゃんを亡くして落ち込んでいた彼女に、恩師だった妻がかけた言葉。
自分が救われた同じ言葉を夫に伝えていた。
最後に3人で歌う「今を生きる」が沁みる