サントリー美術館
リニューアルオープン記念展Ⅱ

日本美術の裏の裏

9/30-11/29



エデュケーターによる鑑賞ガイド
聞いてきました

 

以下、備忘録です

 


紅葉紅葉紅葉


古来、日本人は美を生活の彩りとしてきた

この展示会では
生活の中の美の楽しみ方
裏技鑑賞法
をお伝えします

裏とは、奥深くに隠された内部のことである



第1章 空間をつくる

円山応挙青楓瀑布図

178x92cmの大きな絵で実物大の滝を描いたもの

この絵ではないが応挙が描いた滝の絵に
4mサイズの大きなものがある
今は京都の相国寺にある

その絵は病に伏した依頼人が
庭において楽しんだといわれている
つまり絵を飾った空間を楽しんでいた
元祖VR(仮想現実)といえるのでは

自分の生活の中で
この絵をどこに飾るかを想像してみよう



第2章 小をめでる

七澤屋の作るミニチュア雛道具
大名や裕福な町人に大人気だった

 

例えばこの化粧道具


の持ちてに縄が巻いてある


写真の下のほうにある

長さ1.4cmの大きさの箱は
蓋を開けると剃刀が入るようになっている

使われるはずのない極小の道具なのに
使い勝手がいいような工夫が施されている



第3章 心でえがく

かるかや
妻子を捨てて出家した武士の悲しい物語

絵は上手ではないがじわじわくる味わいがある

父を知らずに育った息子が
出家した父・道心に会いに行く

とても人気の作品で心の国宝という方もいる



第4章 景色を探す

やきものを焼く際に
炎が偶然作り出す多彩な表情があり
それを「景色」と呼ぶ

自分の好みの景色を見つけてみよう


壺 銘 野分

見る方向によって印象が全く変わる


旅枕花入


よく見ると小さな穴がたくさんある

これは壁や柱に掛けるために開けた穴
代々の所有者がそれぞれ自分好みの正面を
見つけてきたという歴史がうかがえる



第5章 和歌でわかる

入口にはくずし字

和歌でわかると書かれている

(現代人は読めないよね~)

 

 

生き物はみんなみんな歌を詠む
古今和歌集に書かれている
和歌を知れば日本美術がより面白くなる

雀の小藤田絵巻

愛する子が蛇に食べられて

悲しむ雀の小藤田夫妻のもとに

鳥たちが弔問に訪れ和歌を贈る

という内容の絵本


色絵桜楓文透鉢


 

 

が向かい合わせ

吉野の桜
龍田川の紅葉に見立て
の取り合わせは雲錦模様と呼ばれる
よく使われる模様



第6章 風景にはいる

風景画の点景人物を案内人として

風景を内側から眺める


楼閣山水図


 

 


右幅の左下、橋の上に2人の人物がいる


何をしているのか、何を話しているのか

想像することで絵の風景に入って味わえる
自分だけの物語を楽しめる


隅田川図屏風


 

 

下の花見客は田楽を食べている


 

 

酔って踊っている人もいる


自分のお花見体験と重ねて

絵を楽しむのもよいかも

 

 

紅葉紅葉紅葉

 

 

鑑賞ガイドの内容は以上です

15分で全部紹介するのでコンパクト

 

 

今回はガイドフォンはないけど

展示の近くに解説がきちんと書かれているので

とてもわかりやすい

 

 

前回みたときのレポはこちら

 

 

10/28の一部展示替えの後

また見に行こうと思います

 

和ものには詳しくない私でも

かなり楽しめる