2年連続最下位確定のファイターズは28日、ホームでの最終戦を9‐2で勝ちました。来季も続投する新庄剛志監督は、試合後のセレモニーで「来季は死ぬ気でやります」と述べました。サッカーの監督なら、とうに更迭されていそうな結果なのに、球団側が続投を選択した意図はどの辺にあるのでしょうか
球団は21年秋、西川悠輝、大田泰示らベテラン選手を放出。それ以前に中田翔が暴力沙汰で移籍するなど、チームがガタガタになった状態で新庄新監督を招へいし、コーチ陣も大幅に入れ替えました。
新監督は開口一番、「優勝なんか目指さない」と発言し、評論家の開幕前予想は最下位がほとんど。22年シーズンはその通りに最下位に終わり、今季は優勝を目指すはずでした。しかし、各評論家の予想通り、今年も最下位でした。
ファイターズはFA戦線には加わらず、スカウトと育成により強化を図るというのが従来からの基本方針。今は成長過程にある若い選手が多く、低迷する時期がある程度続くことも仕方がないーと球団は覚悟しているようにも見えます。
27日の記者会見で井川伸久オーナーは「転換期にあるチームを成長させている」と新庄監督を評価しました。とはいえ、たとえ今季の成績が悪かったとしても、新庄監督を続投させることが初めからの既定方針だったふしもうかがえます。
今季リリースし、CDまで発売した公認応援歌「We are FIGHTERS」の歌詞には、「あばれまっせ」「無謀な旅だとしても舵をきれ」、「まだ観ぬ景色を探せ 剛(つよ)し心を燃やして」など新庄監督を思わせるフレーズが出てきます。監督を換えて、せっかく作った曲を1年限りで使えなくするのはもったいないです。 「ビッグボス・ブリッジ」だって、もう少し名前を残したいでしょうしね。
21年秋の段階で、栗山英樹監督の後継者を、僕らは稲葉篤紀・現GMだと思っていました。チームの転換期にあって戦力は低水準。好成績を見込めないチームの監督に、東京五輪で金メダルの侍ジャパンを率いた稲葉さんに引き受けてもらうのは失礼―とでも球団は判断したのでしょうか
その意味では、新庄監督がチーム再建のために泥をかぶっているとも言えます。しかし、たとえそうだとしても、僕らはこの2年間の戦い方に満足はしていませんし、選手が若いから…とかの理由にも納得できません。勝ってなんぼの世界ですから…。
今季は新球場オープンも相まって、物見遊山で訪れた観光客を含め、エスコンフィールドへの観客動員は188万人。野球のない日にも訪れたりしたFビレッジ全体の来場者は300万人に達したそうです。
来季はいったいどうなるのか。Fビレッジに多額の費用をつぎ込むのもいいですが、選手強化にもっとお金を使ってほしいと思います。勝利こそ最大のファンサービスです。このオフの選手、首脳陣の動向に注目します。
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