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サイゼリヤ、消費税増税後も現状価格を維持する同社についての考察
編集長X著
消費税増税を見据え、各企業がどんな対応策を講じてくるかに注目が集まる昨今、外食業界から興味深いニュースが飛び込んできた。ファミレス大手のサイゼリヤは9日、税込500円で提供している「日替わりランチ」などの販売価格を来年4月以降も維持する考えを明らかにした。
一部の商品は増税分を上乗せするが、看板商品としておなじみの「ミラノ風ドリア」(税込299円)など人気の高い定番メニューや、増税分を上乗せすると百の位の金額がひとつ上がってしまう税込399円、同499円のメニューも、基本的に価格は据え置く方針。増税を巡り外食大手で価格据え置きを表明したのは同社が初で、新メニューの投入、新店舗の出店、客席数の増加を図ることなどにより売り上げを底上げし、通期での増収増益を目指すという。
「500円の日替わりランチでは、ワンコインを超えるか超えないかでイメージが相当違う。死守したい。実質的には値下げとなり、これが当たればお客が増える。3%は飲み込んで、増税を追い風にしたい」堀埜一成社長はこのように語り、あくまで攻めの姿勢を貫いて、増税に対応していくという決意の強さを示した。
サイゼリヤが下した今回の決定に対し、「デフレ脱却が叫ばれるなか、時代に逆行している」という意見は当然出てくるだろう。「そのしわ寄せは必ず現場に及び、従業員の士気、サービスや商品の質の低下を招きかねない」という指摘もあがってくるはずだ。
しかし、このサイゼリヤの姿勢は好意的に受け止めたい。なぜなら、同社は同業他社の動向に左右されず、かねてより独自路線を歩んできた実績があるからだ。デフレ云々が言われる前から、同社は一貫して低価格路線を売りにしてきた。牛丼チェーンやハンバーガーチェーンのように、「あっちが価格を下げたからこっちも下げる」「あっちがこんなサービスを導入したから、こっちも似たようなサービスを取り入れる」という、他人の顔色をうかがいながらやってきたわけではない。「ファミレス」と一括りにされるが、カジュアルイタリアンを標榜するサイゼリヤは、和洋中のメニューをそろえた一般的なファミレスとは一線を画す存在で、消費者も「独立した一業態」という認識を持っている。
ワインに力を入れているのもサイゼリヤの特徴で、質の高いワインが安価で飲めると、酒好きから支持を集めており、いわゆる“サイゼワイン”愛好家は急増している。ただ安いから客が集まるのではない。モノに納得できるから、リピーターが増えるのだ。
「高い」というイメージが少しでもついてしまったら、それはサイゼリヤではなくなる。安易な価格破壊は経済の低迷を導くが、サイゼが「安さ」にこだわるのはアリだ。おそらく、来年の4月以降も評判を落とすことなく、サイゼはサイゼであり続けるだろう。
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