ホームレスの老女が殺され燃やされた…

犯人・草鹿秀郎は18年も引きこもった生活を送っていて、父親も刺し殺したと自供する…

事件を追う刑事・奥貫綾乃は、殺された老女に自分の老後を重ねる…

もしかしたら、私もこんなふうに死ぬのかもしれない…

刑事と犯人、二つの孤独な魂が交錯する📖





気になる作家さんのおひとり、葉真中顕さの新刊、表紙といい、帯といい、重そうな気配が私好みの予感で借りました!


ホームレスの焼死体が見つかり、その犯人と思われる引きこもりの男と、その事件の捜査をする女性刑事の二つの目線で物語は進んでいきます。


引きこもりの男の話は、小学生に入る前から始まり、その時その時の時代背景も描かれていて懐かしい思いもありました…


とはいえ、ネグレクト、虐め、就職氷河期、ブラック企業、引きこもり、8050問題と、終始重苦しい雰囲気が漂うお話です💦


引きこもりの男も、どこかでなにかが違っていたらこうならなかったのかな…と💧


ラストに向けて思いがけない真実がわかりますが、それはそれでまた切ないお話でした💦


このお話のどこを切り取っても、この世の中で起きているのではというリアルさがありました。


「人の命には優劣がある」
この文章が心に残った1冊でした🍀