フォーレ 弦楽四重奏曲 ピアノ四重奏曲
仏エラートLP盤 1970年代のものです。
ピアニストがジャック ユーヴォーなので(多分知らない人も多い⁉︎) エラートの自主制作盤は真空管アンプ(マイク.テープデッキ.盤製造用カッティングマシーン等)を使ったワンポイントステレオ録音が柔らかな響きで優秀録音とも言われていましたが、ドイツ的な嗜好の強い日本人にはそれ程受け無い響き…⁇ 1970年6月ブリュッセルにて録音。
懐かしい戦後昭和の木造二階建て木枠ガラス戸(外壁も木製)の、手作り真空管アンプとスピーカーを置いた(店名の看板も無い)喫茶店の隣には中古レコードショップが有り(川越市役所近くの小学校の横に有り、観光客が浴衣(貸衣装)詣りでも有名な氷川神社への裏参道に)
そこでコーヒーを飲みながら…間仕切りも無いのでレコードも物色…。
スペイン(M)盤とフォーレの仏盤を買いました。
フランス原盤は当時も高くて新品では3,000円超えて秋葉原では3500円〜3800円していました。Aランクの盤質で、2枚で5,000円で買った記憶です。
…今もそのお店は有るのでしょうか?懐かしい…ですね。
ドイツ アメリカの録音と比べると、一言で言えば 腑抜けな演奏…とも捉えられてしまいがち。
ピアノが何処製かも分かりませんが、ハンブルク スタインウェイの重厚な響きと比べると、いかにもフランス的な響きの 異質の明るさとも言われたプレイエルやエラールの響きを思い浮かべます。エラールは1965年に、プレイエルは1970年に倒産してしまいました。現在?製造されている高価なプレイエルは元ガヴォーの技術者が80年代に南プロバンスでラモーと言うプランドで小型ピアノを製造開始して、後に新プレイエル社となり、(倒産後にフランスの3銘柄はドイツ シンメルにブランド名が買い取られて委託製造されていた。そのプレイエルのみ買い戻した)フランス国内でのみ同一機種をプレイエル エラール、ガヴォー ブランドで製造販売。(並行輸入品以外は)他国ではプレイエル名のみで販売していました。増産し過ぎて工場閉鎖してから、再々度⁉︎ パリで年産30台でデザインも凝った高級なピアノのみの受注製造となったと聴いてから久しいです。その1960〜70年代の倒産前頃の旧プレイエルの持つ柔らかさと明るさの在る響きを感じさせます。作曲家で
ショパンはプレイエルを ラベルはエラールを、
プーランクはガヴォーを好んで弾いていました。
YouTubeからLP盤と同曲
フォーレ ピアノ四重奏曲第1番(全曲)
Pf,マルグリット ロン (仏)エラールピアノ使用
フレンチピアノ奏法…、手は脱力し、指先に力を入れ無い…鍵盤を押すスピードの変化で強弱をつける。指が鍵盤から離れると明るい音色で、鍵盤に貼り付く様に弾くと暗めの音色に…。精神性は関係無く合理的な弾き方、ピアノのアクションは10mm鍵盤を押すとハンマーが約45mm と4.5倍となる梃子の原理の応用。4.5倍になるのは 力では無く、10mm鍵盤を押した時のスピードが4.5倍に増す…。つまり力は入れても伝わらないがピアノアクションの梃子の原理。ただ、指先の速度を変えても、曲の速度は変わらない様に弾く バランス感覚 その為の技術は必要で、その習得の為に一定の時間が必要。(片手練習が大事と言われました)
ジャケットの上には 弦楽四重奏曲が書かれていますが、盤のA面はピアノ四重奏曲第1番作品15
レコードと同じ演奏はYouTubeにupされていないので、ピアノ パスカル ロジェ(仏) イザイ弦楽四重奏団の演奏で。穏やかな曲趣の佳曲です。(ピアノはスタインウェイ又はYAMAHA CFⅢSぽさも) パスカル ロジェは最近はShigeru.Kawai も弾く様です。(フランス人にはスタインウェイ嫌いが結構居て) YAMAHAは1965年からパリに直営店をオープンしていますので、ホールや音大(音楽院)にYAMAHA GPは一定数入っています。
LP盤と同演奏者でピアノ四重奏第二番の一部は
YouTubeにupされていました。ジャン ユーヴォーのピアノの響きを堪能。
フランス エラート盤のレーベル
エラートの録音は滑らかで凸凹した起伏を余り感じさせない録音です。フランスの情緒綿々とした
(これがフランスのエスプリ⁉︎)
LP盤と同一演奏者でピアノ五重奏第1番の一部
pf.ジャン ユーヴォー YouTubeから
弦楽四重奏曲ホ短調 作品121 YouTubeから
エベーヌ弦楽四重奏団(仏)の演奏です。
フォーレ晩年の作品で、仄暗いガス燈の青白い炎か揺れる…様に情熱を(隠し)秘めた曲。
フォーレは日本人受けはイマイチで好き嫌いが結構ハッキリしてしまいます。…私がフォーレに嵌まったのは 入院中 小型のCDラジカセ(AIWA製でステレオAM受信の出来るを持ち込んでイヤホンで聴く時に FM放送でフォーレの特集を流していて、後に弦楽曲とピアノ四重奏 五重奏曲のCDが1枚1,000円の廉価盤で発売されていたのを持ち込んで聴いていましたので、起伏の少ない穏やかな曲趣が良かったかなぁ…と思います。
6L6WGB シングル真空管パワーアンプ
若干細めの響きとなるが、繊細な表現を得意とする米SYLVANIA製のパワー管 左の球は(和蘭)フィリップスECC …としてもOEM製造されていた低ノイズ高信頼管です。右はブラックプレートのゴールドラベルの6L6WGB管です。中央のMT管は60年代の米GE製12AU7Aの低ノイズ管。
ピアノ四重奏曲の方には、右chを60年代の米GE製6L6GCに替えて…、GEの球は若干スリムな響きになりますが、その分 広帯域に感じられ(ピアノの高音域の響鳴板と長いバス弦の後方の音を右マイクが拾う) とても繊細で表情豊かになります。(CDはアナログからのものでも拒否します!)
真空管パワーアンプはプリ部のトーンコントロールを使って音質操作(→音質劣化になる)より、球を替えて根本的に音質を変えてしまった方が音質の劣化も歪みも少なく抑えられます。GE製の球はMcInの響き、SYLVANIA製の球はMARANTZの響きを司る真空管になっています。(左右SYLVANIA製の方が室内楽的に纏まりの有る美しい響きですが少し膨張したノッペリした音に)↓
プリアンプはSONY MX-A5 のフォノ部を
スピーカーはピアノ+ヴァイオリンが有るので
Technics製ホーンツィーターを足して
弦と声の再生が得意 米ALTEC 402A 20cm





