AMMER.アマー 旧東ドイツのモダンチェンバロ
(録音に使われたものが本器かは…⁇)
ヒストリカル(歴史的)チェンバロとの違いは
構造面も有りますが、弦を弾くプレクトラム(爪)が革製なのが、モダンチェンバロ。
ストップやカプラーがペダル式になっている。
上鍵盤 8フィート(標準の長さの弦) +4フィート(1オクターヴ高い音を 単独でも重ねても使える)
下鍵盤 8フィート ダブル(単独でも使える)が標準であるが、特に大型のモダンチェンバロには16フィート(1オクターブ低い音の弦 単独でも出せる)が有る。
さらにカップラーを使うことで上鍵盤を下鍵盤を弾く時に連結させる事ができるので、最大で1つの鍵盤を押すと4弦を鳴らす事が出来る。
(例 最大級の大型モダンチェンバロでカップラーを使い全ての弦を鳴らすと、下から16フィート+8フィート 上8フィート+4フィート の弦の4つの響きになるが、8フィートがダブルで鳴るので主音は強く聴こえる)
4フィート弦の響きはチェンバロの輝かしく華やかな響きを作るので聴き進むと分かるかと思います。
又リュートストップという独特な響きを創り出す装置も有り、ちょっと戯けた、寛ぎのある曲調に使われます。
プレクトラム…古くは鳥の羽の軸…現在はデルリンという樹脂製なのが現在主流のヒストリカルチェンバロです。モダンは牛.鹿革を使う。20世紀に古典復興の流れで、モダンはワンダ ランドフスカが中心になって作られたチェンバロ。
響鳴板の厚さや、その下に補強の支柱が有るか無しか等の違いもあります。
音域 ヒストリカルが49鍵盤〜52鍵、53.56鍵
モダンは5オクターヴの61鍵が標準でCスケール又はFスケールがある。画像のアマーはFスケール。
チェンバロ奏者の方の面白い解説では二階の階段から本体を落としても壊れないのがモダンチェンバロ、バラバラになってしまうのがヒストリカル…だそうです。
ヘルムート. バルヒャ
他に1枚外盤が有ったと思うが行方不明。
盲目のチェンバロ、パイプオルガン奏者のバルヒャの奏でる音は大変美しいと定評です。目が見えない分、楽器の内部の音まで聞き取れるという彼は細心の注意で鍵盤にタッチして音を創り出します。
前奏曲 アルマンド
AMMER chem. H. WALCHA
チェンバロの音は小さいので録音の為に音量を
上げていますので、お聴きの際にはボリュームを普段より下げて聴いて下さい。ピアノの1/2以下です。(機械的メーターでは−6dB 1/4位です)
インベンションとシンフォニアから シンフォニア3
YouTube にバッハ平均率全曲が有りました
第1巻(全曲)
同 第二巻全曲です。 YouTubeから
演奏 H.バルヒャ (アマーモダンチェンバロ)
…疲れた、眠れない夜に。心の癒しに。
ゴールドベルク変奏曲からアリアと変奏1,
旧東ドイツのAmmer.チェンバロとヘルムート バルヒャの演奏の響きの美しさに心洗われる思いが有ります。(特に疲れた時には彼の演奏が聴きたくなります)
同 YouTubeに全曲版がありました。
H.バルヒャ アマーモダンチェンバロで演奏
音色の比較に…、ヒストリカルチェンバロによる演奏でのお薦め。
このブログの下の方にプレイエル製のモダンチェンバロを ランドフスカによる
ゴールドベルク変奏曲からアリア YouTube が有ります。
DENON版国内録音
ズザナ ルージィチコヴァ アンコールアルバム
旧東ドイツ製 AMMER モダンチェンバロの演奏
録音 旧 赤坂 TBSホール 1972年11月
1972年にDENONで開発されたPCM録音1号機による録音。
ルージィチコヴァはチェコのチェンバリストで
日本人には発音が難しく、
ズザナとスサナの間位の息漏れ半濁音
ジィもツィとの間
チはシャシィシュシェショのシィに違いチ
コヴァはコワとの中間…、
ツゥツァナ ルーツィ(ク)コワ…ドイツ語が少し濁った感じです。(コワはポーランド表記) とドイツ語で書くと怒られてしまうかも知れませんが…、(1941年から45年迄ナチスドイツの強制収容所に居た)と言う大変な経歴をお待ちの女史です。
(プラハ音楽院の教授とブラチスラヴァの音楽院で教鞭をとっていました)
とカタカナ表記が難しい…。
このCDは 1997年の再販です。
モダンチェンバロであっても音は小さいです。
ほぼオリジナルの音量 ヘンデル調子の良い鍛冶屋から
同 ヘンデル作曲 調子の良い鍛冶屋から
YouTube投稿用音源…音量を下げて聞いてください。
変奏曲に入ってから、華やかな(少し愉快な)響きは8フィート+4フィートW弦による響きです。上鍵盤と下鍵盤でも同様なWも可能ですが、同じ音程でも上鍵盤と下鍵盤では弦の長さ及び爪が弦を弾く位置が違うので音色が変わります。それらの組み合わせもチェンバロは奏者の好み、考えによって選ぶことができます。
モダンの場合はペダルの操作によって組み合わせが出来ます。
曲の最初のAの部分の明るく軽く華やかなところは上鍵盤の響き、途中のBの部分の響きは下鍵盤の響きです。曲はA B A B A(下→上)+上Coda(A')となっています。Aの部分には上鍵盤の4フィート弦を高音域で足していてチェンバロ独特の華やかな響きがします。
ヒストリカルチェンバロで弾く場合は、事前にストップ(音色)設定をしておいて、Aの部分は右手は上鍵盤、左手は下鍵盤、Bの部分は両手下鍵盤となります。
仏プレイエル Plyel 製 鉄骨構造のチェンバロ
ワンダ ランドフスカの要請でプレイエルで作られたモデル
かつて、オーディオブームの時、某有名評論家が
巨大なオーディオシステムから大音量でチェンバロの演奏を再生して…オーディオ的に評論をしているのが
顰蹙を買った事が有りました。
チェンバロはピアノの音量は有りません。
ピアノの1/5. 1/10の音量だと思って聴いて下さい。
再生装置 Micro DD-5 ダイレクトドライブプレーヤー & audio-Technica MC3100
YAMAHA製ドームツィーター+Victor.ER40005 (LP盤の再生に使用)
国産soundevice SD-0.4 10cmフルレンジユニット+SONY平面ツィーターを上に載せた簡易2way 1980年代 (CD再生用に)
+10cm 2wayで重低音の再生は出来ないので。
米BOSEウルトラベースシステムて補足(チェンバロの場合は余り機能しませんが…)ボリュームを上げての再生時の再生帯域のバランスを取るために…。