ヨーロッパ クラシック音楽への招待 

DENON PCM digital recording in JAPAN 1977.

上野学園 石橋メモリアル ホールにて録音盤

PCM2号機にて録音…ダイナミックレンジ75dB(通常のアナログレコーディングでは60dB程)なので、13bit recording の頃だと思います。(CDの16bitは90dB超)

 

J.C.BACH  五重奏曲から  

 Vn. R. ジャンドル    fl. M.ラリュー ob. P. ピエルロ f.B.  P. オンニュ chem.R.V.ラクロワ

 

 

 フレンチ オーボエの響き…、

見ての通り MARIGAUX マリゴーと在りますが…。

BUFFET.CRAMPON のPierlot Modelらしいです。

 

 

YouTubeから(カリオペのワンポイントステレオ録音の様な…) 左ch:オーボワ 右ch:ピアノ

↓この楽器の響きに一番似ていた録音です(1970年代初め??)P.ピエルロの吹くクランポンのピエルロモデル。

 

SML MARIGAUX社は1975年にマルレーヌ社を買収するまで楽器は製造しておらず、例えばマリゴーのサックスは米KING だったり、KING MARIGAUXのオーボエはフランスから米国にだったり、SMLは楽器販売会社で、他社委託製造OEM品を販売していました。ストラッサー、マリゴー、ルメール(米ルミエール)の3者の合資会社から発展しました。現在は日本の野中貿易の資本参加のもとオーボエ製造のみのマリゴー社に。SMLは楽器販売店として別会社としてパリに店を構えています。(居た筈、今は⁉︎)

…と言う事で、クランポンのR47の旧型 1970年代初めの上管は第3オクターヴキー無しピエルロモデル。下管は左手F付き(ピエルロモデルは左手Fキー無しの伝統的なフレンチの形) の細管のモデル(クラシック向き)(画像左下のゴムの上の短いキーが左手Fキー) LowCキーが調節ネジ無しの2点の構造の違い以外はクランポンの下管(ピエルロモデルの)まま。(この一時期は、左手Fキー追加+5万円、第3オクターヴキー追加+5万円というのが有りました。フルオートがオプションの機種は+10万円で受注生産有…第3オクターヴキーが標準装備になり、下位機種でも左Fも標準装備となりました。サックスも70年代はアメリカや一部フランス.ドイツでは今と違う左手小指のシステム装備のものが有りましたので、70年代は木管楽器については完成間近という状況でした)
 
 
純粋のマリゴーの響きは…, F. ルルー

 同じくプーランクのソナタで聴き比べ

 彼はマリゴーしか吹きません。Marigaux  M2 や2000の開発者でもあります。

 

 

70年代半ばには第3オクターヴキー付きのピエルロモデルが発売されていました→B.Crampon.なのに、H.SELMER のオーボエにもOEMされていた様で、マリゴーと同じケースでSELMERの内部はエンジ色。第3オクターヴキー付きで、セルマー名のものを当時60万円程で購入しました。(選定できたのがその機種しか無かったので、本当はリグータが欲しかったのですが、半年又は1年に フルオート、セミオート、リークの各1台しか日本には入って来ない(当時はグローバル社)セミオートは予約待ちで1年後か2年後かは分からない…と言われて、在庫が2台有って選定できたのが、H.SELMERのセミオートのオーボエでした。

(貸すのは嫌だったのですが)高校の吹奏楽部に頼まれてコンクールの為に貸して(学校のが15万円のプラ管オーボエだったので) 夏で高校生では、当然管理が悪くて、戻って来た時には上管に割れが出てしまっていました!(結構ショックで…)

私の このSML MARIGAUX の(クランポン)ピエルロモデルも上管は割れを修理していますので、上管は特に管体が細い分、その可能性が高いのかもしれません。そのH.セルマーの後には、ドイツのハンス クロイエルのセミオート(中庸管でドイツ管の中では細めのボワ)でフレンチものもドイツもイケるオーボエと言われた。

その後、リグータのリーク そして このマリゴーを手に入れた時、前述のH.SELMERの時と全く同じ替え指で演奏出来て(ハーモニクスで音程を取る(…オーボエはメーカー機種によっては、かなり変え指の運指は異なる)のも、音色も酷似していたので驚き…懐かしく思いました。都内の有名ダブルリード店でOHしたのですが、少し⁇だったので(何も言わずに整備して欲しいと…)サト テクノさんに持っていったら、85点‼︎ と言われて(結構いい線⁉︎) +5万円+税にて 追加修理をお願いしました。

その際に、佐藤さん(日フィルでオーボエ奏者だった)から クランポンのR47の旧モデルの細管に酷似していると言われて調べました。

文献としては出てこないので、クランポンの3000番台のものとも比べてみて、上管は全く同じ構造(ロレーとは幾つかのキーの形や部品に違いが見られた) 下管の構造も左手Fキー付きかどうかと、Low Cキーに調節のネジの有る無し程度の違いのみでした。(LowC#.-H下のキーポストが独立した形も同様…以降のものは一直線の接続で、支柱を1個減らしているのは改良? コストダウン⁇)

 

明るくて甲高い響きがフレンチオーボエ B.CramponのPierlot モデルの響き、 オーボエは HAUT BOIS  オゥー ボワ 

 甲高い 木 と言う名前です。 

 

フランスのオーボエ製造会社

ロレー製は澄んだ透明感の有る響き。アメリカのオーケストラではロレーAKモデルが吹けないと採用率が低い。今も⁇

 

リグータは空を舞う様な軽やかな響きと完璧なキーアクション…国際コンクール上位入賞にはリグータが吹けないと…とも言われる。(現在リグータ社はクランポンと提携、クランポンのオーボエ部長がリグータ氏で、マリゴーのルメールもリグータが製造している)

(ちなみにストラッサー701又は801は独ハンス クロイエル製だったが、現在ハンスは廃業している)

リグータのオーボエの響き H.ホリガー

 プーランク オーボエソナタ

 

クランポンは明るい(旧型は 甲高い特有な)通る響き。

(将来サックスの様にR47.プレステージュもリグータに委託製造になってしまうのだろうか⁇) オーボエ専業社に比べてクランポン製造のオーボエは数が少ない。(スクールモデルはドイツ.シュライバー社又は中国クランポン工場製)

H.セルマーも嘗てはオーボエとフレンチバソンを販売していたが、現在はサックスとクラリネットのみとなった。

マリゴー(自社製造番号2万台以降)オーボエ専業になってからは、ダークでメロウな響きで日本人好み。日本も、嘗てはロレー大国だったが、音大の先生でロレーを指導出来る人が激減。音大の先生方もマリゴーの寡占状態となっている。国内需要はリグータが1割程、他社は数%の需要率。(MarigauxとYAMAHAで需要の9割近くを占めている)

 

フランスでオーボエと言えば、先ずロレーなのですが、YouTubeからはロレーと解るのが中々有りませんでした。

多分 ロレーのAKモデルの響きかと…、

(AKモデルはアメリカ用ローピッチ)

 リヒャルトシュトラウス オーボエ協奏曲

   F.Rosenwein. ローゼンヴァイン ob.

 クリーブランド室内管弦楽団

 



チェンバロのリュートストップの響き

R.ヴェイロン ラクロワの弾くチェンバロは堀 栄蔵 作(大型のモダンチェンバロ)

 ダンドリュー作曲 パストラーレ

同 リュートストップの響きとの違い

 フレミッシュの2段鍵盤 +足ペダルによるレジスター&カップラー操作。今では 見捨てられた?モダンチェンバロです。

(現在の主流はヒストリカルモデル) 

おおまかな違いはモダンは弦を弾く爪(プレストラム)が牛革製。

ヒストリカルモデル、歴史チェンバロは鳥の羽軸でしたが(痛みが激しく、音質も揃えて難い) 現在はデルリンという樹脂製が主流なので、ヒストリカル(歴史的な)モデルとされています。(革より音量も倍増)

モダンはそのサイズからすると、音が小さいです。

 

 

YouTubeから ベルリーニ オーボエソナタ

オペラのアリアの様な歌いまわし・・・P.ピエルロのオーボエ(クランポンらしい響き)が堪能できます。

 

 

DENON PCM Master Sonic のレーベル

モーツァルト 五重奏曲アダージョとロンド KV.617, 

 Vn. R. ジャンドル fl. ラリュー ob. P. ピエルロ 

f.B(フレンチ バソン )P. オンニュ 

 R.V.ラクロワの弾くのは、チェンバロでは無く、珍しく チェレスタが登場…celestaと言うとチャイコフスキーの くるみ割り人形の 金平糖の踊りで活躍します。

 

ピエルロのオーボエもオンニュの吹く フレンチバソンも仏ビュッフェ クランポン製なので響きの統一も素晴らしいです。(現在はフレンチバソンの製造は?受注のみ⁇ 21世紀前にH.SELMERはオーボエ及びフレンチバソンの販売は止めました)

 

digital録音LPなので、真空管に難儀しました。

digital録音(DDD)表示のCDも 1960年代迄の米国製の真空管から良い音が出せません…、digital recording のCD(嘗てはDDD表示有り)には 米Tung-Sol (Made in Russia )の6L6GB(5881…多分1980年以降ソ連崩壊後でないと米国からの委託製造のは)が良かったので…、初段の12AU7は JAZZでは無くクラシックLP盤でも有るので、70年代のものでは無く1960年代の5814A (放送局規格)のトリプルマイカにしたらGoodでした。

SANSUI SP50の箱の中にALTEC 402A

 アルニコマグネットの20cmフルレンジにて再生