チャイコフスキー 偉大な芸術家の思い出
師でもあり友でも有った、ニコライ ルービンシュタインの死を悲しみ (彼はモスクワ音楽院をつくり、チャイコフスキーを教授として招き入れもした) その彼に捧げられた大曲で、演奏時間も40分を超します。
日本では 海野義雄 堤剛 中村紘子 のトリオでの演奏がCBS SONYから国内向けに発売されていたと記憶しますが、その再販は無かった様です。(YouTubeには2007サントリーホールがupされています)
哀愁を帯びたチャイコらしい旋律で始まり…
スークトリオ 1975年9月発売(再販?廉価盤です)
Vn.J.スーク Vc. J. ホッホロ Pf. J.パネンカ
二楽章形式で出来ていますが、 2楽章だけで25分を超える大作です。主題と変奏の形で 2つの大きな纏まりとコーダ(の最後には第一楽章の主題と葬送行進曲)で終わるという 循環形式をも模してします。
今回も TUNG-SOL (ロシア球)の活躍です!
1960年代のチェコでの録音なので、真空管を使用…その為か スプラフォン盤は音が良いとの評価が有りましたが、米国製の出力管で再生すると…⁇ と音が期待よりも良く無く…、ロシア球との相性が良かったです。(東欧の中のチェコの位置付けは工業国であり、その為、レコード、録音技術も高く、鋳造鉄骨がその中心部に有るピアノもチェコには名器と言われたペトロフ、そのお手本とされたウィーンのベーゼンドルファーの鉄骨もチェコが作っていました。(プラハはウィーンパプスブルグ家の夏の避暑地 離宮が有りました)又チェコは現代の弦楽器の製造地としても有名でした。
華やかなマーチ風な…と、壮大なフーガはバッハやベートーベンの作風をも思い浮かべます。
SANSUI(ALTEC 402A )20cmフルレンジに
+Technics 5cm金属ホーンツィーター足してます。
(ヴァイオリンにチャイコフスキーはピアノの最高音域を結構使うので、フルレンジでは不足を感じるので)
第二楽章 〜終結部
…第一楽章のモチーフがもの悲しく奏されて(ベートーベンやショパンの葬送のリズムをピアノが刻み)静かに終えます。
YouTubeでは スークトリオの日本公演1976年7月に東京荒川区民会館(良い音のスタインウェイが入っているとの話でレコーディングに当時良く使われていました) がupされています。只、このレコードよりも少し早めのテンポ(特に第一楽章ではピアノのJ.パネンカが夏場のハンブルグ スタインウェイに苦戦の様子が窺える…変に焦ってしまったり、バス弦の響きのコントロールが甘かったり、普段弾き慣れているチェコの名器ペトロフとの打鍵の反応の違い、大まかに言えばヨーロッパの気候との違い、日本の夏場の湿気で重たく反応の鈍くなったスタインウェイのアクションに苦戦している様子が…、第二楽章ではかなり慣れて来てコントロール出来ている感じがしますが…、)
チェコの音楽家は国家にとって貴重な外貨を稼ぐ国家認定の(音楽家)公務員な訳で、 2年間の猛練習で完璧なアンサンブルと暗譜での演奏、その曲のレコーディングをしてから西側諸国に演奏旅行に出します。その完璧なアンサンブルに、日本公演での録音には少しだけですが、第一楽章には乱れが感じられています。
思ったほど演奏会でも取り上げられず⁈、レコードやCDでも 名演と呼ばれるものも少ない様に思います。決してマイナーな曲では無いと思いますが…。(やはり3者の演奏レベルが高い位置で揃っていないと…数分で飽きてしまうと言うか…もうダメだ!…と残り40分は聴き流して過ごす事になるので)
お薦めはYouTubeの検索の最初⁉︎に来るロシア3人組 コーガン ギレリス ロストロボーピッチの演奏ですね!…ロストロボーヴィッチの冒頭のチェロの響きに心が持って行かれます‼︎この曲の演奏としては遅い方で47分を超えます。そのスラブ的な歌いまわしと、リズミックな舞曲の躍動感は ウクライナ生まれのチャイコフスキーの真骨頂かと…。(コサック…大まかにコーカサス地方…ロシア民族とは宗教も民族も別とする地域)
(チャイコフスキーコンクールもロシア.ソ連の大作曲家を冠して…と思われていますが、生まれた地はウクライナです‼︎ ウィキペディアにはロシア帝国のボトキンスクに生まれたと載ってますが…。iPhoneの地図の検索でも 現ウクライナ🇺🇦で、対岸のロシア側にはチャイコフスキーって地名が作って有ります‼︎)