M.ロストロボーヴィッチ Vc.   S.リヒテル  Pf.

プロコフィエフ ショスターコーヴィッチ チェロソナタ 1956.57 モノラル録音LP盤 日本Victor 製造(新世界レコード社発売)鉄のカーテン(ソビエト)が開くまえの…、

 

TUNG-SOL (Made in Rusia)6L6GC球

ベルリンの壁崩壊後のロシア製(USAブランドの)

 出力球5881(6L6GC同等) 12AU7A(ダブルマイカ)

12AU7Aも少し新しめ1970年代のGE製に変更。

 


ソ連製のレコードの録音の良さは1970年代からのオーディオブームでも話題になっていました。

 

リヒテル全集 全部集めると豪華ケースが貰えた!

          (全集ケースは昭和49年迄です)

 

 

マイクロフォンのアンプからレコードカッティングマシーンまでのアンプは全て真空管アンプでしたので…、ゲルマニウムトランジスター(さらにそれよりも小型で高性能と言われたシリコントランジスター)製に西側は時代の流れと共に早く切り替わって行きました。


モノラル録音というと 古くさい音! と勘違いされる方も多いかと思いますが、録音は優秀です。

特にマイクロフォンを使った後期電気式録音(オープンリールテープ)時代に入り。

勘違いされるのは モノラルは音が ごっちゃに音が混ざっていて分かり難い…と、音源の左右の広がりは分からなく、真空管式だと 丸く大きな球体になります。その中でチェロは前、ピアノは後ろにあるのは判ります。楽器の左右の位置関係が分からないだけです。モノラルだから一点集中に音が塊で聴こえる訳では有りません。

iPhoneからの録音で その音の太さ、立体感は解るでしょうか⁈ 素晴らしい音質です。

ただ当時の録音機材(テープ)LP盤のカッティングヘッドの特性で20〜11,000Hz 位 ステレオ FM 〜15,000Hz CD 約5〜20,000Hzと比べて狭く 性能が劣ると評価されがちですが、11,000以上か入っていないのでは無く 大概±3dB あたりを基準に評価されていただけで、減衰しながらもさらに高音域も記録されています。FM放送は15,000Hz以上は送信されない電波法の縛りが有りますし、CDも20,000Hzでスパっと切れます(0.1)の組み合わせの16bitの記録媒体の為。

後期モノラル録音はミキサーも使えましたので、オーケストラなら最大で8本迄マイクロフォンを立てて録音が出来ていました。オープンリールテープデッキのスピードが19ないし38cm/S だったのですが、テープ幅はフルに使えています。(ステレオ録音は半分以下…左右chに隙間も作る為。ステレオ後期は76/sの倍速録音にもなった)


 

プロコフィエフ チェロソナタハ長調作品119

晩年の作品 ロストロボーヴィッチとリヒテルによって初演されている。(モスクワ音楽院1949年公開演奏は1950年)

 

 

 平明 叙情的な新古典主義で技巧的なチェロソナタでロストロボーヴィッチの力も大きいが、プロコのヴァイオリンソナタも好きです。(ピアノソナタが番を重ねるにつれて難解になって行ったのとは違って)

 

 

真空管はそれぞれ規格の違いによって出る音が違いますので、6L6だけでも音色差(色付けがなされていますので…) 原音忠実再生至上主義の現代とは認識が違います。 1970年代は東欧圏にとっても、トランジスター、化学繊維、プラスティックの性能の良い西側のものは憧れでもあった時代です。日本に亡命?ソビエト製のミグ29戦闘機の中に真空管が使われていた…と驚かれた時代でした。後に、ポーランドが玉葱の繊維から開発したテンセル(線維素化学繊維)は、お気に入りの素材で結構購入して着ていました。

 

ショスターコーヴィッチ チェロソナタニ長調 作品40

第一楽章から

 1934年の作曲でプロコより古いのですが…、

楽章が進むにつれて、私には難解になってきます。

(ショスターコーヴィッチは苦手…交響曲第5番革命も)



このレコーディングからも、リヒテルの使うピアノの銘柄は分かりません。多分 ベヒシュタインかベーゼンドルファーであろうと予想。(ただソ連にあるベーゼンドルファーはかなり古い型、痛みも多い為、自宅のピアノを運びこんでレコーディングしたかどうかも一切、詳細は記述無しです。プロコもショスタコもベーゼンドルファーは音質が合わないと思いますので、普通ならリヒテルは使用しないと思います。この時代のモスクワ音楽院のチャイコフスキーホールには ヴァン  クライバーンも弾いた スタインウェイが有りましたので…、戦前のスタインウェイ⁈ (1935年頃にスタインウェイは共鳴板の造り方を変えて 特許をとっていますので、それ以前のスタインウェイは響きが違います←その古いスタインウェイの音こそが素晴らしいと言う人も多いですが、リボンマイク+真空管となると…録音記録された音色自体が変化してしまうので…)

戦前のスタインウェイと言う選択も在るのかも…。

 

鉄の扉の中のスビャトスラフ リヒテルが大阪のフェスティバルホールでリサイタルを開いたのも そのエキスポ70 大阪万博でした。彼はそれ以降はYAMAHAのCFⅡの製造番号1,000,000を使い(そのCFⅡを新宿のYAMAHAピアノシティで弾かせて頂いた事がありますが、自身の好みは250cmのYAMAHA CSの方でした)


彼は以後の来日公演ではYAMAHAを使っています。(フェスティバルホールで1回のみハンブルク スタインウェイを使ったと記録有り) 自宅ではベーゼンドルファーを弾いていたので、余りスタインウェイは好きでは無いらしい?(冷戦?死語⁇の影響⁈ スタインウェイの本社はNY USAの影響⁇) フィンランドやノルウェー、デンマークではハンブルク スタインウェイを使った。スイスでの録音時代にはストックホルムからお気に入りのスタインウェイを運ばせた)

 

エキスポ70(死語⁇)の頃 真空管式カラーTVが各家庭に入り、日立のキドカラー SONYトリニトロン…とトランジスター製が電源を入れてから何秒で画面が映るかを競い合っていました。(比較的すると、殆ど中国製造になった、今のカラーTVの方が映像が映る迄の、時間は遅いです‼︎)

 

アンプの世界もレコードよりはCD そしてトランジスターよりは高度集積回路(これも死語⁇) ICが使われる様になり…、電気的な周波数特性は真っ直ぐで優秀ですが…、音質、再現芸術としては どうでしょうか⁈

21世紀頃までは私も 新しいものを追いかけて今流を謳歌しましたが、SP盤 究極のアナログレコーディングの音の素晴らしさを知ってから、時代を後戻りし、

トランジスターならゲルマニウムトランジスターの音質の優秀さ、FET.ボイポーラのパワートランジスターよりも、メタキャントランジスターの音質の良さ…、そして真空管アンプへ…PP(プッシュプル片ch2個の並列球)よりはシングル球アンプ。3wayスピーカーよりは

1960年代のアルニコ(永久磁石)フルレンジへと逆行しました。