過去ログ E13の偽物(中国製??)がありましたので、よく目にするクランポンのクラリネットを載せました。
BUFFET CRAMPON R13 旗艦モデル
第三世代 1982〜87年
シリアルナンバー (K) 22☆☆☆☆の1982年製
C13はCONSERVATOR 刻印ならその跡でわかりますが、C13刻印かE13なのか⁇それとも R13⁈…R13は特別なので…見分け方が有ります。
以前の、赤い内装のケースの頃のクランポンは、
上管 商標下の E13 …の刻印が消えると…R13⁇となる事も…、
R13と 下位機種の見分け方 下管に注目‼︎
下管の上部右側ジョイントキーの下H-F#キーの造りの違い下管のサイドH-F#キーの形状の違いでR13以上の上位機種を判別出来ます。
C13 E13 E12F E11FRANCEはこの形です
B13 E12 E11は上管とのジョイント金具の受けの形も違います。(ドイツ シュライバー社委託品)
多分プラ管のB12もドイツ製で同じと…思います
1978年にRCが発売されました。そのRC系とR13の下管は一見同じに見えますが…、
右R13 1995年製造 、
左RC⁈1978年製造(又は逆円錐形細管のS1…1980年代の半ば製番30万台までS1が有りました)
4つのスプーンキーの下側を見て下さい。
R13 …赤印では無く4つのキーの下側を見ると
R13は4つのスプーンキーの下のグラナディラが
凹型に削られています!
RC⁈(S1)には凹みは有りません…それによる違いかは分かりませんが、RC系の下管の方が円やかな柔らかな響きがします。R13は輪郭のハッキリした音に。(上管を手持ちのE 13で それぞれ接続して音質の変化を検証、鳴りはあきからにR13の下管の方が良く鳴ります)
R13の歴史…第一世代1955年〜71年
管体は黒く染めていません
エンブレムの下にR13の刻印は有りません
音は木の木目に沿って速く走る
柾目 木目 木の繊維が真っ直ぐに走っている管材程 しかも真っ直ぐで細かな線になる程に良くて高価なものになる。←反応が速くて良く鳴り、
音も通る…遠鳴りのする楽器になる。
グラナディラ材は樹齢100年以上のものか良く、外側は白く、内部のみ いわるゆローズウッドやキングウッドの様な色合い 紫檀系の色を。
紫色や赤紫色 茶色 灰色を持つ部分もあり
それぞれ 硬さの違いから音質 オーボエ向き
クラリネット向きがあります。
黒く染めるとその成分が管材に浸透しますので、良く言うと強く悪く言うと硬い響きを発します。
今も最高の管体のものはオイリングだけで製造されています。
1995年新工場にて自動管体製造機を導入以後、
RC R13 C13 E13…クランポンの製造番号40万台以降のものは黒く染めてあります。
E12には割れ防止に黒く染めた上で外管側にラッカーが塗られていますので更に硬い響きとなります。キー及び組み立てはドイツ委託。E11は全てドイツ.シュライバー社にに製造委託品です。
現在はRCよりも更に上位機種が現在有りますので、R13と言えども中級ラインとなり、40万台のR13で既に木目は斜めの追い柾になっています。80年代半ばでしたらC13に廻された管材です。
現行品は さらに管材ランクダウンかも知れません…クランポンの40万台以降には余り興味が無いので 手にも触れて無いので…。
製造番号で、
ドイツシュライバー社への委託品は製造番号が倍以上になっています。21世紀の初めで既に90万台でした。クランポンは今 80万台?…90万台に入った⁉︎ E13には単体製造番号K⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎が付いています。K25万台を超えた位でした。
自身が吹いた事のあるE13は10万台 〜90年代のもの迄です。自身のものはK68⭐︎⭐︎⭐︎で87年頃です。
クランポン社のカタログ表記では1955年から
R13発売開始、53年からJ.ランスロが開発に関わっています〜第四世代の改良まで。それを 記念するランスロ(選定)モデルのR13も在りました。
R13 第二世代 1972年〜81年
製番 17⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 1976年頃(お嫁入りしました)
R13の販売20周年を記念して、開発に寄与した
J ランスロがフランスで選定したR13ランスロモデルになります。
第一世代の音程面の欠点も改良されています。
第一世代よりも良い意味で纏まった響きを持っています。
J Lancelot のサインの刻印が…。
ランスロモデル(欧米向けの中の米国向けモデル)はメッキも特殊な為か、ニッケルの表面に薄っすらと白い点(ソバカス状)が経年で出来てしまう様です。たた手触りはスベスベのままで全く問題有りません。メッキも音質に関わるので、その成分迄も指定していたからかも知れません(過去にルブラン でも似た様な変化を見た事があります)少し離れれば(1mもしなくても)解らない程度で、薄っすらとしています。
画像は強調されていますので、手に持って見ても
それ程気にならない程度かと思います。
(シルバーメッキ+ゴールド支柱の38万台の特別モデルはメッキ違いで その症状は出ていません)
バレルが64mmでF フレンチピッチ〜の筈ですが
A=442Hzも可能になっています。
(この時期でバレルを1mm程度抜く)
夏場でもバレルの抜きは〜2mm程、冬場はピッチが下がり難い 良い点が有ります。
キーのメッキがルブランの3重メッキ様でも有り
ニッケルメッキにも見える…Aピッチ⁇
ニッケルメッキは重厚な響きが作れるので、主にアメリカで人気なので…最初からキーが別物で
ローピッチ用440〜442Hz用に設計されたものが
マッチングしてセットしてあるのかと…、さらに下に記述しました C12 コンセルバトワールモデルの欧米版ニッケルメッキにも同様に感じられました。ほんの少しキーが浅く動作が少ない分、ホールとタンポの距離が近い分、ダークなローピッチの響きが作れる。…吹き辛さは感じません。日本人の手にはかえって良いかも…。
Fピッチのものでも国内でローピッチ442に調整は可能ですが、タンポカップ部分にラック←接着物を多く盛り込んでタンポが厚く外に出る様にして…ですと当然音質にも影響が出ます。
当時は逆円錐形音道の細管のS1が上位に有るだけで、RCは開発中…発売78年から…当時の上位機種R13用だから特別に(アメリカ向け)ローピッチ用のキーシステムも有ったのかも知れません。
…追記、今回のOHで若干ピッチ高めに調整しています。442Hzは維持出来ています。
〜441〜442〜443 アメリカのコンサートピッチも若干高めになって来て居ますのと、R13純正スキンタイプタンポが以前のフィッシュスキンタンポより若干薄めになったので…。440にする為に
タンポカップ内にラックを沢山入れて接着は音質に表れてしまいますので、バレルを抜けば電子キーボードピッチ440Hzも可能な範囲の調整に。
下位機種はバレルの長さを変えるだけの調整で、
ローピッチ66mm フレンチ65mm ドイツ64 mm (現在R C R13 C13 E13は中級機種なのでバレルの違いだけでの販売です)
このランスロモデルは、手持ちのR13の65mmバレルで吹きますと音色迄も激しく変わってしまいランスロモデルを感じない、普通のR13の響きになってしまいます。
ランスロモデル…バレルと上管の一体化 木目
クリックして拡大して見て頂くとジョイント部分の上下の木目が繋がるのが解るかと…。管体自体が染めていなくても黒い最高材なので、少し解り辛いですが、OHでボアオイルを塗ると さらに
色が濃くなり より解り難くなるかと…。
特に左手で操作する上管の部分だけで鳴って音が出る感じでは有りません(比較すると自身のE13は
上管部分の音は そこで鳴って散る感じがします。
(吹いている本人には良く鳴って聞こえるが…)
←傍鳴り傾向で、遠鳴りでは無い(大ホールや体育館の広い空間で聴くと その違いが良く判ります)
1本の管から出来ている上位機種のオーボエの様に上管下管ベルが同じ材質、繊維木目が揃うと、
音は木の木目の繊維に沿って素早く伝わる性質が有るのでマウスピースのリードの振動がスっと、ベルまで伝わって そこから音が出て行く感覚。
安い機種ですと、特に左手の部分やスロートなどの音は そこで鳴っていて、ベルの方には響いてゆかない感じがします。初期のR13の感じがランスロモデルには残されている…と感じます。
参考…、
製番25万台あたり J Lancelot サイン刻印
ランスロは1953年からR13の開発に関わっていますので開発と彼の楽壇30周年記念のモデルに当たります。
第二世代のメッキは こんなに酷く劣化していませんが、ランスロモデルはキーも音質にも関わるので、メッキ金属組成分を変えた為か⁈同様な薄いソバカス状は見られます。(半透明な白い粉跡の様で、指先にザラザラ感は全く有りませんが…)こちらの楽器は保管環境が、かなり悪かったと見受けられます。
この10年後に38万台は当たります。J ランスロが
R13の開発に携わったのが1953年〜ですので、その40周年目に当たりますので、さらに復刻選定品も有った様です。
似たR13系の刻印モデルには…、
1987年よりR13系の上位機種 フェスティバルが発売されています。初期のものは刻印でした。
フェスティバルはLow A♭/E♭レゾナンスキーが左小指側に付く18キー6リング仕様にバレルが66mm 65mmの2本付きます。管体も同様に黒くは染めて有りません。
刻印サインが似ている為、ランスロモデルを良くフェスティバル⁇っと90年代は聞かれる事が有りました。←外れフェスティバルよりも良い音なんだけど…。←基本外れ無し…、ランスロモデルはフランスでランスロが管材の段階から より選ったもので作られ、完成品を自ら試奏し、合格したその証のサインが刻まれているので(普通のR13に比べて管体に心地良い抵抗感を増していて、抜けの良い丸い響きを創り出す器の様です)
R13 第四世代 1988年〜 94年?
製番38 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 93年頃 特別選定品⁇
J ランスロの40周年記念復刻モデル⁈←有った様です。 キー銀メッキ+支柱金メッキ⁇
バレル 上下管 ベルが1本のグラナディラ
材で 造られています‼︎
ランスロのサイン有る様な…かなり薄れていて
サイン刻印の確定は出来ません
クランポンの商品刻印の位置を揃えると木目も
バレル〜本体〜ベルまで 揃います。
現行品では トスカ等の最上位機種のみです。
(かつては初期のR13も…でした)
バレルと上管上部の木目の一致
木目も細やかです…通常の1/2幅の年輪⁈
管材の色もフランス製の最高級なロレーのオーボエに使われる様な、少し紫がかった黒褐色をしています。豊かな倍音と管全体が響く感じは〜70年代のR13同様。R13発売40年の節目で、回帰を試みた⁈ この後、工場も製造法もクランポンは大きく変わって行きます。
支柱ポスト台座は金メッキ⁈(4.8K位?)
支柱台座や針バネ受けの部分が金色が残って⁈います。レジスターホールの中金属の外側とかも…
ポストも内側部分に多く…R13の金メッキ版⁈
(カタログ上はR13の金メッキ有るそうです)
大事に使われて定期的にシルバーポリッシュで
磨かれていた様なので、外側はシルバー色になっているので気が付きませんでしたが…、Yahooオクに出品の中でS/N66万台のR13で同様にキーポストに金色が残っているものを見ました。(OH済、商標もリペイント済みで17.6万円でしたが…)
不確実な部分は 退けて R13の選定品と言う事で査定しました。
自身の教え子が…武蔵野音大に入学後に購入。上位機種に買い替えの為の下取り。門下の先生との選定品との事です。(木目と音質、音程で通常R13の二倍額で下取り…)
R13の現行品は実質50万円程、本機と同じく染めて無い最高級グラナディラ材使用はR13系ビンテージの70万円以上の機種、フェスティバルの80万円〜になります。
音大生が門下のN先生に選んで頂き、先生への選定のお礼は2万円(が昔からの相場で)…40万円程で購入したそうです…選定には5台以上…別室に同機種が用意してあって選べたそうです。(音楽生が定価で最高の楽器を手に入れられる為のシステム
…かつて物品税15%が楽器に掛けられていた頃、音大生は1台に限り免税手続きにより税抜きで購入出来ました、その為の登録する楽器を選ぶシステムの名残り…、ピアノなら浜松まで新幹線代は出ましたが、免税の定価で購入になりました)
私自身は R13はK6万 9万台 13万台 17万台
22万台 そして35万台と38万台のR13しか吹いた事は無いのですが 別物⁇ …と思える位 響きが良いです!
選定+音大生が10年以上吹き込んでいるので響きが良いのかもしれませんが…。バレル〜ベル迄1本の管体で出来ているR13 柔らかさ 深さ 明るさ 最高音域の吹き易さ 音程の正確さ…現在のタンポの状態は決して最良では無いのですが、
第3世代1982〜87年 管体内径の設計変更し、
第4世代は88年〜はスロート及びレジスターキーの変更がRCを先行させてから徐々に最大3mm位置変更、さらに Mid Bシの音程修正で下管音域にも改良が及びました。
ルブラン 派の自身にも R13も良いかも!と思わせた1台です! 1990年代 …第四世代のR13 で J ランスロも改良に関わった最後の⁈バージョンです。ランスロは2009年に亡くなられて居ますので、現行品の第五世代R13には関わってないのかと…。
女の子の使用で丁寧に管理されてましたので
スロートキー 左右小指で操作する 通称スプーンキーの銀メッキにも剥がれが有りません。
大概 下メッキの銅色が出てしまっている事が多いですが…、経年変化で銀メッキの黒ずみは少し見られますが 年代を考えると綺麗な方かと…。
このブログ頭の22万台のR13はオイルだけで染めて無い同様なものでしたが、ポリッシャー掛けて半艶出しになっていました。本器の現状は艶消しの木目の様です。
ベルとバレルはR13なので木目の色合い、艶の高級感が違います。
発売と同時に私の生徒もC13を買いました→武蔵野音大のクラリネット科卒になりました!→音大生になり先ずR13はA管を買い…B♭管は内径の違うRC かプレステージュ、最近ならフェスティバル、余裕があればトスカを買うパターン。
グラナディラ材は南米からアフリカ産へ…、
稀少な南米ホンジュラス産は比重〜1.2g 、アフリカ モザンビーク産は〜1.4gと差があります。其処が当時(第三世代)のR13は楽々Highトーンが吹ける秘密なのかも⁈ 第四世代のR13の方が管体に重みがあります…重厚さ暗さは表現し易い。
比較すると第三世代は、響きに明るい!を感じさせます。
…画像では判り難いですが、クラナディラ材の木目がC13はR13の選別で はじかれたグラナディラ材のため、柾目では無くほんの少しだけ斜めに木目の在る、追い柾…そして管体に艶は余り有りません。(E13は さらに はじかれた材になりますが柾目で無いので木目が綺麗に見える部分も) 現行品ではRC以下は黒く染めて有ります。
このC13←管の内径もC13はR13と同等です。
記述が増えましたので、R13の下位機種についてはブログを分けました。
↓
クランポン R13より派生した CRAMPON C13 CONSERVATOIRE C12・・ | klavierhaus2000のブログ (ameblo.jp)
・・・さらに最近の追記 ビュッフェ・クランポン190周年記念で工場を開放
・・・という記事がありました! ほぼ的中!?
・・・ グラナディラは ・・・
元々は南米ホンジュラス産が最高と言われましたが、80年代には既に枯渇、南米産→オーストラリア産と取り尽くし、植樹して伐採迄50年から100年掛かります。今はアフリカ モザンビーク産が主に。
African blackwood; 学名:Dalbergia melanoxylon
↑学名にある通り…xylophone シロフォン、木琴
マリンバの音材になる木材はグラナディラなんでしょうね!
黒檀とも日本では訳されますが、豆科サイカチ属で多種約150種もあり、比重0.97〜1.4gで殆ど水に浮かない木材 キングウッド ローズウッド(紫檀) かなり茶色なココボロ材も同じ仲間です…。
南米ホンジュラス産はオイリングだけで黒くなり木目が紫系か茶系で薄っすらと残り艶のある美しいグラナディラ材です。人の手の多く長期間触れる部分は艶と色が徐々に薄くなって来ますが、再オイリングで嘗ての艶と色合いが戻ってきます。
アフリカ材は色が薄く、最上位のランクでないと白灰色っぽく線が入り、黒よりは茶系よりな為、
染めて黒くしてからオイリングします。
染めた分、音が硬くなる傾向が有る様です。
アフリカ材は良く鳴りますが、かつての柔らかさ
膨よかな中に芯のあるブリリアントな音、ホールで遠鳴りする響きの良さは減退したと感じます。