最近の音楽鑑賞など

最近の音楽鑑賞など

本業関係および趣味について書きます(以前から変更しました)。

シベリウスの音楽は好んで聴きたいと思うことはあまりなかったと思う。

 

それは、子どもの頃に聴いた演奏会での「第2番」が原因だった。特に第1楽章で、何だか断片的な音楽だなあという印象が強く、ほとんど理解できなかったからである。古典派を聞くことが多かった私としては仕方がなかったのかもしれないが、この曲に関しては現在でもあまり考えは変わっていない。確かに終楽章の盛り上がりがカッコいい、という声も聴くし、第2楽章なども美しいと思う。ただ、どうしても第1楽章についていけないのだ。同じ交響曲でも「第1番」は聴きやすいと思うのだが・・・

 

まあ、この話はこの位にしておこう。

 

ベルグルンドの全集は、ボーンマス交響楽団との演奏で一度聴いたことがあった。交響曲だけでなく管弦楽曲、協奏曲も含まれているのでシベリウスを知るためには非常に良い録音であったと思う。ヴァイオリン協奏曲の独奏はイダ・ヘンデルだった。この録音は今ではやや古くなったと思うし、新録音も出ていたのでいつか購入しようと思っていたところ、神保町の中古CD ショップで見つけたのだ。早速購入したのだが、仕事の忙しさの関係で、聴くのは2か月くらい経ってからになってしまった。

 

まずは「第1番」「第6番」から聴いた。前者はすでに書いたように昔から好きな曲である。第1楽章の開始でのクラリネットがまず印象的であるし、主題も魅力的だ。第2楽章もどこかで聴いたような懐かしい感じの旋律が出てくるし、最終楽章「クワジ・ウナ・ファンタジア」も素晴らしい。そして「第6番」は、私はシベリウスの最高傑作だと思っている。第1楽章の清らかな音の流れ、最終楽章のコーダなど何度聴いても感動してしまう。という訳で今回はこの2曲から聴いた。

 

ヨーロッパ室内管弦楽団との新録音は、やはり録音の優秀さを感じる。かつては古い録音でも作曲者、演奏者の精神が感じられれば結構、と思っていたのだが、オーケストラは録音が良くないと感動が薄れるのも事実だと思う。これは仕方のないところだ。

 

シベリウスの音楽は、覚えやすいメロディーがあるわけでもないし、機能和声に慣れた耳にはよく分からない音の進行も時々ある。曲の形式も分かりにくい。しかし、一度では分からないというところもクラシック音楽の魅力の一つであるので、こういう音楽は時々聴くようにしている私である。「第6番」が魅力的なのは、教会旋法や対位法に見られるような過去の音楽の技法が活かされているからという気がする。このように、いろいろな要素が活かされている音楽に、最近の私は魅力を感じている。